爆裂BOX

ペイン 〜PAIN〜の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ペイン 〜PAIN〜(2007年製作の映画)
3.6
葬儀屋の男ビショップが高校生達を地下室に監禁し、身体を切り刻んで殺害するという陰惨な事件が起きる。唯一の生存者ジョーンは、事件後もショックから立ち直れず…というストーリー。
「MAY」や「ツールボックス・マーダー」のアンジェラ・ベティス主演のスラッシャーホラーです。
16年間町を離れていたジェーンが帰郷すると、それに合わせるかのように高校生たちが行方不明になり、傷だらけの死体で発見されるという連続殺人事件が発生。ビショップと同様の手口にジョーンは彼が戻ってきたと怯えるという内容です。ジャケットからは「ホステル」のような拷問ホラーを想像させますが、どちらかというと「スクリーム」のような青春サスペンスホラーの趣が強い作品です。
殺人鬼ビショップは友人同士を監禁して交互に拷問して、互いに「相手を殺せと言えば助ける」と訊いて苦痛に耐えかねて相手を殺すように言ったほうを拷問から解放するという中々サディスティックな手口を使いますが、主人公であるジョーンは友人と捕まって拷問されるんですが、どんなことがあったかは回想シーンを徐々に挟むことで明らかになっていきます。
拷問シーンでは顔をメスで切り裂いたり、傷だらけで血まみれの足に消毒液ぶっ掛けたり、腹にホッチキスとめたり口にメス突っ込んで舌切り取ったりと残虐な事やってますが、ホラー慣れ、スプラッター慣れしてる人なら大したことない描写かも。直接的な描写意外と少ないんですよね。後、画面暗くて見辛いし。
トラウマとフラッシュバックに苦しむジョーンと、彼女の姪のオリンピアが主人公として描かれますが、前半はどちらかというとオリンピアとオタク青年ポールとの恋愛などの青春描写等オリンピアの方に比重が傾いて描かれてましたね。ただ、ジョーンの過去と現在交互に見せる構成のせいで現在の犠牲者になる高校生たちのキャラ描き切れてなくてキャラ立ってる人あんまりいなかったな。
次々と犠牲になるオリンピアの友人達を見てジョーンは「ビショップが却帰って来た!」と騒ぎますが、ビショップは16年前にジョーン自身が反撃して殺しており、幻覚も見て精神的に追い詰められてるジョーンに疑いの目が向き、犯人はイカレたジョーンなのか地獄から戻ってきたビショップなのか?というサスペンス要素で引っ張っていきます。
主演のアンジェラ・ベティスは相変わらず顔怖くて、こういう追い詰められて神経衰弱になっていく役似合いますね。ビショップを演じるよくドラマで悪役や嫌な奴役やってるベン・コットンも役あってたな。
後半はジョーンが主役になって攫われたオリンピア助けるために奮闘しますが、ここで明らかになる犯人も結構最初の方で予想付く人でした。「だろうね」という感じで。「イカレてない」と言ってましたが、ジョーンの言う通り充分イカレてたな。
拷問受けるオリンピアと友人と縛られて見ているしかできないジョーンのシーンは中々サディスティックな感じでした。ジョーンがとる行動は根性ありすぎてビックリです。絶対激痛で失神するだろ…
単純ハッピーエンドで終わらないラストも良いんじゃないでしょうか。助かったけどお互いトラウマを背負って生きていくことになるのか…
ジャケの印象から過激な拷問ホラー期待すると肩透かし喰らわされるかもしれませんが、スラッシャーホラーとしては及第点じゃないでしょうか。