フィンランド映画祭にて。
面白かった。「アウロラ」のミーア・テルボ監督作。1984年ソ連のミサイルがフィンランドの国境を越えてイナリ湖に着弾したとされる事件を背景にシングルマザーの再出発物語をユーモアとシリアス半々で描いたドラマ。
主演のオーナ・アイロナってこの映画祭の上映作品でよく見る。「オリマキの人生最高の日」のヒロインもやってた。
ラップランド新聞で働くことになったニーナは元夫の影と不気味な衝撃音に怯えるシングルマザー。
あの爆音はミサイル着弾の音に違いない!と調査を始めるが……
町に軍が調査にやってきたことで疑惑が確信にかわりつつあるが、周囲の人は真に受けず、兵士たちには女性だからとからかわれる。
80年代の女性の扱われ方ってこんな感じの多いな。
核兵器の恐怖について語るニーナの言葉は劇中でも言われていた通り、おそらく多くの人が思っていても頭のすみに追いやって考えないようにしてることかもしれない。考えれば考えるほどゾッとする。
元夫のDVがあったりと思いの外暗いエピソードもあって、前半の雰囲気からは想像してなくて驚いたが、それでも前を向こうとするニーナ、意外と芯が強い。
人生は決して容易いものではないけれど、兵士の1人とあのままいい感じで幸せになって良いんじゃないかなと思う。