デニロ

レッド・サン 4Kデジタルリマスター版のデニロのレビュー・感想・評価

3.0
公開当時のテアトル東京のチラシの惹句/世界映画界の注目を浴びた最高の顔ぶれ!待望のアクション超大作いよいよ登場 完成迫る!/当時、そんな風に売られていたらしい。わたしは、1975年TBSの月曜ロードショーで観た記録があるのですけれど、その記憶はちっとも面白くない、というものでした。注目の顔ぶれというのは、当時日本で大人気だったチャールズ・ブロンソンとアラン・ドロン、三船敏郎の共演のこと。

1971年製作。脚本レアード・コーニグ。監督テレンス・ヤング。フランス・イタリア・スペイン合作

今回、スクリーンで初めて観ましたが、超大作というふれこみの風格を感じることが出来ず、主演のチャールズ・ブロンソンと三船敏郎の珍道中の時間が長くて、しかも、ほとんどがロケで、あんまりお金を賭けていないなあと、スカスカの画面とストーリーを観ながらそう思ってしまう。こんな作品をテレビ画面で観ても、そりゃ面白く感じるはずもないわい、と思ったものです。

1870年代の話らしい。ブロンソンとドロンが大列車強盗で40万ドルを奪う計画を立て、実行に移すと、そこに乗り合わせていたのが日本からの親善大使ご一行。その大使の部下のひとりが三船敏郎。帝から米国大統領への貢ぎ物までついでに奪われ、でも、多勢に無勢で切歯扼腕。が、ドロンがブロンソンを裏切り40万ドルを独り占めするところから、大使はブロンソンに呉越同舟で行こうじゃないかと、そんな風に持ち掛け三船を同道させてドロンを追わせる。

そんな話です。

だからドロンは最初と最後に集中的に出てきますが、主としてブロンソンと三船の掛け合いに終始致します。酷薄な裏切者であるドロンを追っかけるふたりですが、追い詰めたところに何故かネイティブ・アメリカンのコマンチが襲撃して来て、三人で迎え撃つというめんどくさい展開を用意する。加えて、『007は殺しの番号』で初代ボンドガールになったウルスラ・アンドレスやキャプシーヌが共演女優陣であるというのも何気にもの寂しく思えるのです。

三船敏郎は何故本作に出演したのだろうか。売春宿のシーンに興味を持ったのか。店の女から、わたしは帰った方がいいかしらそれとも、と問われて、三船のカムカムという指の動きがとてもうれしそうだったから。あ、最後に同僚の仇ドロンを討ち果たそうとするシーンで、後ろから袈裟懸けで刀を振り下ろそうとする瞬間があって、そこは納得できないところです。三船さんはどう思ったのだろうか。

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