長年数多のアーティストのLIVEやフェスを観てるけども、TM NETWORKは別格であり唯一無二の存在だ。
この映画は40周年に合わせて40公演もの全国ツアーの舞台裏映像を編集して構成されたもの。
ただのLIVE映像だけならわざわざ映画にする必要もないとも思っているのでこうゆうツアードキュメンタリーという形で観れたのはよかった。
あらかじめ小室哲哉が2時間の雑談と笑いながら言ってたのを知ってたこともありその辺の危惧はなかったけども。
一番はTMファン=FANKSに向けて作られたものであることは間違いないし、特にツアーを観た人達があれがどのように作られてどんな人達が関わってどんな思いで作られてきたのかが伝わってくる内容になっていた。
ファン向けではあるが、仮にTM NETWORKを知らない人達が音楽ドキュメンタリー映画として観るならば、見どころとしては60代半ばの3人組がデビューして40年経った今も最先端のテクノロジーを使ったエレクトロニックなポップミュージックを精力的に全国LIVEツアーとして作り上げてる姿をロードムービー的に面白がれる部分だと思う。
ちなみに自分はこのツアーではDay14オリックス劇場、Day31神戸国際会館こくさいホール、Day38大阪城ホール、Day40Kアリーナ横浜の4回参加していた。
去年は大物ミュージシャン達の訃報を耳にすることも多かったので、彼らがこうやって今でも元気に活動してくれているという事実が何よりも嬉しい。
ただでさえバンドが長年続くということは奇跡でしかないことをよくわかってるだけに。
数年前に小室哲哉引退のニュースを耳にした時は勿論ショックではあったけども、必ずステージにまた戻って来るということは信じて疑わなかった。
その後にコロナ禍がやってきてエンタメ業界全体が危機を迎えたことで、結果的にTM NETWORKがまた動くことになったことを考えると、自分の好きなアーティストが現役で生の音楽を聴かせてくれているこの現実がまた尊い。
と同時に『シティーハンター』という作品がまた元気を取り戻したことによって超名曲『Get Wild』がクローズアップされる機会が増えたことも大きかった。
自分が無人島に1曲だけ持っていくとしたらこの曲だと常々言っている。笑
宇都宮隆、木根尚登、小室哲哉というこの3人の空気感というものが絶妙で、なんてことのない雑談でも延々聞いてられれるのが不思議。
気の合う友達と何の気なしにずっと一緒にいられるのってこうゆうことなんだろうなと。
勿論音楽面では小室哲哉の圧倒的な才能に対する信頼関係だったり、宇都宮隆のそれに応えられるヴォーカリストとしてのスキルだったり、木根尚登の人間的で柔軟に立ち回れる姿勢だったりがあってのもの。
何より小室哲哉が今でもハイテクへの好奇心を失っていないことが今尚進化して立ち止まらないユニットとして成立している。
これだけケンカも一切なく、かと言ってなあなあでもない独特の空気を醸し出す人達は珍しい。
ツアーで初披露された『Good Morning Mr.Roadie』っていう彼らを支えてくれたスタッフ達関係者への感謝を表現した曲がある。
ここまで裏方のことをストレートに歌った曲を今まで聴いたことがなかったのでとても感動したのをよく覚えている。
このタイトルは亡くなった坂本龍一の『Merry Christmas Mr. Lawrence』を意識したものだったことをこの作品で知った。
坂本美雨が大のFANKSなのは有名だが、小室哲哉が偉大なる鍵盤の先輩に向けた教授へのリスペクトが感じられる。
『Nights of The Knife』を聴いて涙してしまうかどうかでFANKSも大きく分かれるところなのが面白い。
自分は言わずもがなうるうるしてしまう方である。笑
残念だったのはツアー最終日のアンコールに初期のサポートメンバーだったB’zの松本孝弘がゲストで参加していた映像がなかっただけでなく、そのことに触れもしていなかったこと(大人の事情なのはわかっていたが)。
そんなに厳しいものなのかね?
小室哲哉という人がプロデューサーとして一時代のブームを作ったことで、世間的なスポットの当て方としてはそこばかりがどうしても目立ってしまっているが、その手前で誰よりも早く最先端のテクノロジーをエンタメに持ち込みあらゆることに挑戦していたTM NETWORKに対する評価が手薄になっていることを常々感じている。
隠れた名曲も本当に多い。
そうゆう意味でもこういった形で映像作品として残されることも後々の再評価の際の材料になるのではないかと思っている。
普段の会話の中の言葉の端々から感じられるものの中に人としてアーティストとして本当の思いがチラチラ出てるのが面白かった。
この映画のタイトル曲のレコーディングは藤原いくろう指揮のオーケストラと共に行われていて曲のアレンジや歌詞に込められたメッセージも聴き応えがあり、最後のあの表情がもう音楽って最高だなって思わせてくれるものだった。
年月を経てメンバーもファンも老けた。
メンバーもそうだが自分だっていつどうなるかわからないので楽しめるうちに存分に楽しみたい。
今月のオリックス劇場公演のチケットもGETしているので楽しみにしている。