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ルサールカの作品紹介

ルサールカのあらすじ

ブルガリアの海沿いに広がるかつての高級リゾート地ルサールカ。60〜70代の友人グループが休暇を過ごしている。彼らは若い頃から毎年ここに来ており、最初は14人のグループだったが、年を重ね仲間たちは減っていき、今やたったの5人。そしてそのうちの一人も、余命が長くないという─。人生の最終章に入っていく老いた男女とリゾートで働く若い従業員たち。ノスタルジックで夢のようなリゾート地を背景に、彼らの今を、時にユーモラスに時にリアルに描く。ルーマニアのドキュメンタリー作家クラウディウ・ミートゥクによる劇映画デビュー作。

ルサールカの監督

クラウディウ・ミートゥク

ルサールカの出演者

マヤ・モルゲンステルン

Rodica Lazar

原題: Rusalka
製作年: 2024年

製作国: ルーマニア
上映時間: 86分

『ルサールカ』に投稿された感想・評価

KnightsofOdessaの感想・評価

2024/12/17 22:55

3.0

[]　60点

クラウディウ・ミートゥク長編一作目。ルーマニアの海岸沿いにあるかつての高級リゾート地で、若い頃からの友人たちは今年も集っている。14人いたメンバーも5人まで減ってしまい、そのうちの1人であるリアも寿命が長くないと言い始め云々。若い女性従業員のやたら短いスカートを眺めながら、パオロ・ソレンティーノ『グランドフィナーレ』を思い出していたわけだが、途中からそんな話でもなく彼らは既に死んでいるんじゃないかとすら思えるほど不気味な雰囲気に気付かされた(不在の9人は成仏したんでしょう)。先日アテネ・フランセ文化センターで偶然観たルーマニア映画『善良な男たちは天国へ』は、中年主人公が妻子を残して事故死してしまい、天使のおっさんに"ここで1ヶ月くらい待ってて"と言われた煉獄が誰も居ないビーチだったのだ。本作品でも5人はビーチで無邪気に遊んでいる…そして、ホテルの支配人がルサルカという名前であることが明かされるが、ルサルカとはスラヴ神話における水の精霊、というか水難事故で死んだ女性の幽霊みたいなものらしい。宿泊客が5人しかいないのとかも含めて『善良な男たちは天国へ』とも似ていて、年齢的にも死を意識する5人と背景とも重なってくる。となると、若い女性従業員たちは羽根は見えないけど天使なのか…ここは天国或いは煉獄なのか…と思うなど。あと、世代的には彼らのほうが10くらい上になるが、なんとなくチャウシェスク時代の末期に作られた高校生の恋愛模様を描いた群像劇『Lineecii』も思い出した。彼らの言葉の端々で思い出される青春時代(本当に中間の時代が吹っ飛んでいる)はあの映画のような瑞々しさに溢れていたのかもしれないと思うなど。ただ、ウクライナから来た少女の挿話はずっとキモくて嫌だったなぁ。全員死んでる理論からすると、死にかけていた少女は生き返ったという意味もあるんだろうけども。

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