けい

名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)のけいのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

キャラ推し映画の側面も大きいコナン映画は推しキャラの活躍度合いによって劇場版の評価が大きく左右されがちになってきたように思う。灰原哀推しとしては嘘でしょ!?の展開と哀ちゃん奪還作戦が胸熱な『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(2023)を7回劇場鑑賞してしまったが、それと比べると本作は事件と作風は渋めだが、それでもこちらの期待に応えてくれる楽しさを味わえるのはコナン映画の凄いところ。特に近年は毎年のように切り札を出して楽しませてくれる。特にクライマックスの雪山チェイスは映画館で見る価値あり。

本作はコミカルシーンを極限まで削ぎ落としたオトナちっくな仕上がりで、事前のプロモーションと『黒鉄〜』と同じテンションを追い求めてしまう高過ぎる期待値を超えられなかったとはいえ、『名探偵コナン 水平線上の陰謀』(2005)の活躍以来の予告通り “ 眠らない ” カッコ良いおっちゃんが見られたのは満足。推理ではなく、特技の拳銃を披露してくるとは思わなかったので嬉しいサプライズ。今年はコナンより強く印象に残るし、3発連続で同じところに命中させるおっちゃんはやっぱり劇場版でしか観れないよ。パラボラアンテナを当たり前のように動かしてしまう技術者・哀ちゃんの活躍でコナンをがっつりと後方支援する姿は本作も健在で推しとしては嬉しい限り。

おっちゃんの “ ワニ ” 呼びのくだりで早めに犯人の目星がつくという親切な伏線だったけれど、“ 隠れ公安 ” というニューワードにもしかしたら違うかも…と揺さぶられた。また、大和警部の死の偽装シークエンスは100%死ぬはずはないと思っていたのでさほどドキドキしなかったが、上原由衣の生きていると知った上での嘘泣きからのラストのやりとりは思わずニンマリ。諸伏高明のセリフ解説がなかったら意味が全然分からなかったので蘭姉ちゃんありがとう(笑)

そして、最初はコナンらしくないとすら思っていたKing Gnuの「TWILIGHT!!!」はエンドロールで改めて聴くと、入りからもう軽やかで爽やかなメロディとかつての相棒を失った毛利のおっちゃんや被害者遺族への鎮魂歌的な部分を感じてとにかくカッコ良くて白銀の世界にピッタリな素晴らしいスルメ曲になっていた。“ ひととせ ” なんてセンスのワードは彼らの歌詞でしかきっと聞けない。

1日の上映回数が異常なほど多いけれど夕方の回の劇場内は8割ほど埋まっており、今年もコナン人気の高さを感じられる公開初日で、来年はどうやら “ 神奈川県警 ” 絡みの作品になりそうなので良くも悪くも期待を裏切ってくれると思うので、きっと、いや必ず、また公開初日に劇場へ足を運ぶことになるんだろうなぁ。
けい

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