Kuuta

ボウリング・フォー・コロンバインのKuutaのレビュー・感想・評価

3.6
当事者にきちんと直撃する取材精神と、結果取れているコメントのドキュメント感が素晴らしい。総括としてチャールトンヘストンに全ての疑問をぶつけ、引き出した「人種」発言。NRAの底の浅さを露呈したようだった。

なぜアメリカ人は暴力に頼り、恐怖が連鎖してしまうのか。監督の長年の疑問が今作の根本にあり、色んな理由付けが示されている。銃規制に留まらない、アメリカ社会の在り方に対する問題提起だった。

不安を撒き散らし、消費を繰り返す社会。アンバランスなニュース。「暴力の歴史」という言い訳。周囲に襲われるという恐怖。カナダが銃社会というデータは初めて知った。

華氏911がちょっと政治的過ぎる印象を受けたのに対し、今作は茶化しながらも基本真面目。バランスが良かったように感じた。現場を取材しないメディア批判→小学校の先生の話を優しく聞くマイケルムーア、この流れは流石に露骨過ぎないかと思ったけれど。73点。
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