ジャイロ

暴力脱獄のジャイロのレビュー・感想・評価

暴力脱獄(1967年製作の映画)
4.1
暴  力  脱  獄  !!!

なんという力強い邦題

それにしても何にでも「暴力」つけりゃいいってもんじゃないだろう。それともあれか?「暴力」ってつけると力強くなるのかな?


試しにやってみましょう


『暴力男はつらいよ』

DVかな?そっちにはそっちの言い分があるんだろうけどさ、暴力を受ける側の気持ち、考えたことあるの?同じことをされる覚悟はあるの?あるならプロレスラーに向かって暴力をふるってみるといい。蝶野にビンタされたら人の痛みも分かるだろう。


『ブリジット・ジョーンズの暴力日記』

地域で一番荒れている高校に赴任してきた新任のブリジット先生(破天荒)が、あらくれた不良たちを力でねじ伏せていくところまでは見えた。


『暴力魔女の宅急便』

ピンポ~ン♪「お届けもので~す」って女の子の声がしても玄関のドアを開けちゃいけない。ぜったい。


『暴力ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

なんだろう。魔法が出てくる気がしない。ガチムチ同士の肉弾戦の予感しかしない。


『暴力ハリー・ポッターと秘密の部屋』

ヤバい。秘密の部屋ヤバい。秘密の部屋の危険度が跳ね上がってる。なんかもうすごい拷問してそうだし、虐待の線もある。もしくはそういうプレイをしている可能性も否定できないから秘密の部屋ヤバい。


『暴力君の名は。』

ジャイアンじゃね?


『暴力アパートの鍵貸します』

いらない


『アルジャーノンに花束暴力を』

めった打ち


『暴力猿の惑星』

((( ;゚Д゚)))


『三人の暴力妻への手紙』

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


『ネバーエンディング暴力・ストーリー』

((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル


結論

暴力よくない



邦題『暴力脱獄』

原題『Cool Hand Luke』

何を考えてるか分からない。ポーカーでも手の内が読めないクールな男。それがルーカスなんですって。これがどうしてこの邦題になるのか謎ですが、そこはそっとしておきましょう。

そして開始早々、首が切り落とされるわけです。パーキング・メーターの。してやったり顔のポール・ニューマン。そしてキス(笑)

ライフルを肩に担いだボス

案山子みたいにライフル抱えるボス

このライフルだらけのボスがいっぱいいる中に、一人の男がやって来ます。サングラスの演出がいいですね。看守も囚人も、どいつもこいつも一癖も二癖もありそうな奴ばかり。この時点でもう楽しい。雰囲気を持ってる映画は大好物です。

ルシール!!!

ぜったいわざとだ!!(笑)

今日も明日も明後日も

寝ても覚めても重労働

時間だけがゆっくり過ぎてゆく

バカな!?

重労働が…

楽しいだと!?

卵!!!www

看守公認!!!www

ポール・ニューマンのイメージそのまんまのキャラクターが、観ていてどんどん好きになっていきます。

面白いなあ

しかし楽しい時間もここまでです。後半がとにかく観ていてしんどい。どこまで行っても逃げられない。だけど諦めない。抗うことしか知らない男。どこか『パピヨン』のスティーヴン・マックイーンを思い出しました。

こうつらい時って、ほんと、人の優しさが沁みるんですよね

😢

規則、ルール、社会という見えない力に押さえつけられ、圧し潰されそうになりながら、それでも自由を求めて足掻き続ける。運命に抗う姿、そのひたむきさに胸を打たれます。そして、すべてを笑い飛ばしてしまうポール・ニューマンのあの笑顔がこの映画の一番の魅力なんだと思います。