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イノセンス 4Kリマスター版のpopopopopoのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

4Kリマスターでの再上映を鑑賞
士郎正宗の名作漫画『攻殻機動隊』を押井守がアニメーション化した『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の続編
とはいえ、押井守作品の多くがそうであるように、原作『攻殻機動隊』を忠実に再現しているというよりかは、原案として設定を受け継いでいるだけの全く別の作品
『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』に原作者の高橋留美子がブチ切れたのは有名な話で、今作も、特に原作こそを至高とする人からすれば、冒涜に等しい作品なのかも
個人的には、アニメーション映画の中でも特に大好きな作品

とは言ったものの、実は押井守の映画自体はそこまで好きな訳ではない
引用の多用や知的な会話回しが、教養ある人間に向けられたコンテンツのように見えてしまうから
今作も(というか今作は特に)、聖書や仏教関連、文学から哲学まで、多種多様の引用がなされており、最早会話の大半が引用で成り立っている
流石の引用の多さに、トグサが度々「何言ってんの?」みたいな感じで、話を本題に戻そうとするのには笑った
この映画のトグサ結構好き

今作は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』において、草薙素子が失踪した後の話である
愛玩用ガイノイドの暴走による連続殺人事件をバトーとトグサが捜査する、前作よりも刑事物要素が強いストーリーになっている
ただ実際の所、この映画は押井守の一種の思想書のようなものであり、ストーリーの大筋は多分なんだってよかったんだと思う

ゴーストとはなんなのか
魂、思考、自我、精神
生命体がゴーストを持つのか、ゴーストを持つ者を生命体と規定するのか
デカルトが方法的懐疑で示した人間にとって唯一的なものを、我々は最早信用できない

意識を持ち不完全な認識で生きる人間
今生きている現実にすら確証を持つことができず、鏡を恐れるしかない
無意識的な人形、あるいは一部その性質を持つ動物
神に近いのは、人間ではなく人形なのかも

科学的な行いの繰り返しの果てに、人間は神を殺し、愛情すらひどく曖昧なものにしてしまった
その科学の果てに生み出されたアンドロイド
機械的な人形
人間と人形、より美しい存在はどちらなのだろう
果たして人形はゴーストを持たないのだろうか

任務を終えたバトーはトグサの自宅へ赴く
トグサに抱き抱えられた娘の手に握られる洋風の人形
バトーは人形を見て何を思ったんだろう
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