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シックス・センスのkouのレビュー・感想・評価

シックス・センス(1999年製作の映画)
4.0
《初期作にして代表作》
シャマランの新作が公開されるという事で、シャマランの過去作を追っていきたいなと思い、改めて本作を何年振りかに鑑賞した。当時を思い返してみるとやはりその結末に驚かされたし、シャマランという監督を一躍有名にさせた映画史的にも重要な一作であると思う。

オチがわかっている状態での鑑賞は初だったのだが、今見返してみると、「なるほど」という感じ。所々に散りばめられた伏線というのがわかると面白みもある。初見はラストの展開に驚かされ、何度か見返すといろいろな発見がある作品だと思う。

ホラー映画としてしっかりと怖い展開も見事だ。画面に急に映り込む、死者の恐怖というのはとても鮮烈で楽しめた。また、今作はホラーテイストの大部分に対して、ラストは感動的な展開に成っている。このグラデーションというのがまたシャマランという監督の味でもある。前半と後半にかけてのスピード感の違いもとても独特だなと思ったりした。

そんな今作はM・ナイト・シャマランという監督のエッセンスが全て詰め込まれている。例えば人と違った能力を持つが、「自分の能力」を発揮できる場がなく孤独である人物が、ある人物とのつながりを通して「自分の能力」を発揮できる場所を見つけていくという部分。また、登場人物の視点を描くカメラワークというのも特徴的であると思う。ラストで驚かされる展開というのも含めてシャマランの魅力が閉じ込められている作品だった。
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