ブタブタ

シックス・センスのブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

シックス・センス(1999年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

⚠️(注意)『シックスセンス』だけでなく『スプリット』のネタバレも含みますす。みません<(_ _)>




『シックスセンス』が公開されたのは1999年、この年は奇しくも口に出すのも嫌な『SWエピソード1』そしてその暗澹たる気持ちを払拭するかの様な映画革命、SF/アクション映画のエポックメイキング作品『マトリックス』が公開された年で、同じくM・ナイト・シャマランと言う新しい才能が世界に向け華々しく『シックスセンス』と共に現れたと言っても過言ではない記念すべき年でした。

自分が『ヴィレッジ』を最後にシャマラン作品から離れていたここ10年ばかりの事をネットで調べていると色々な事が起きていたのだと改めて知りました。

~シャマラン映画とシャマランファンについて~

シャマラン作品を見る人を大まかに分類するとこの三つ。

①どんな時でもシャマランのファン、誰がなんと言おうがシャマランを見捨てない熱狂的シャマランファン、所謂シャマラニスト。
②特にシャマラン個人には興味ない人、作品のみを評価する人。
普通の(正しい見方の?)映画ファン。
③始めからシャマランを扱き下ろす為に手ぐすね引いて作品を待っている人所謂アンチ。

やはり『シックスセンス』が凄すぎて、それと「どんでん返し」のイメージがついてしまったのとヒッチコックやスピルバーグの後継者と言う言われ方(本人も言ってたみたいですが)によってファンも拡大する一方、敵も増やしてしまったみたいですね。


『シックスセンス』が
「感動した」「泣けた」との感想ももちろん、映画として圧倒的な完成度と面白さ。
医師マルコム(ブルース・ウィルス)は既に自分が死者である事に気付かない、その死者が主人公のサスペンスでスリラーで探偵物。

叙述トリックがここまで見事に決まった作品はそうそうないと思うし、やはりホラーと言うより探偵物、霊能力少年と幽霊のコンビが事件に挑むバディモノでもある。

シャマラン監督は『ヴィジット』でも楳図かずお作品みたいに子供の視点の描き方が本当に上手いし、シックスセンスをコール少年の「子供から見た世界」として見ると空想と現実が綯い交ぜになった、医師マルコムはスノーマンみたいなコールの空想上の友達にも思えるし、コールの助けに呼ばれて来た守護霊でもあるし、マルコムはスタンド(本体は死んでいで魂がスタンド化して単体で存在している)にも思えるのです。

町山智浩氏の詳しい解説を読むと様々な作品のオマージュや元ネタが数多く散りばめられてて幽霊が出現する時、気温が下がり息が白くなるのは『エクソシスト』だとか、あとシックスセンスは『ゾンゲリア』の自分以外全員死人だったの逆バージョンだとか。


~次回作『glass』~
『スプリット』は『glass』へと続くわけですが
『アンブレイカブル』に既に少年のケヴィンは登場していてダン(ブルース・ウィルス)がぶつかる母子―子供が虐待を受けてると意識を読んだのに救えなかった―がそうだったとか、フレッチャー医師の台詞「私が死ねば同業者が引継ぐ―」と言っていたその「同業者」とは『レディインザウォーター』の主人公だとか色々な考察がされてます。

これまた奇しくもマーベル最新作で予算も規模も極北にある作品『ガーディアン・オブ・ギャラクシーVOL,2』と同時期公開ですが『スプリット』も事実上の『2』でマーベルがアメコミ映画として宇宙的規模のマキシマムな世界を舞台にしているのとは対照的にシャマラン作品は限定された空間を舞台にしたミニマムな世界を舞台にしていて、同じアメコミと言う題材でもシャマランは極めて作家性の強い作品であり『glass』がこれまでのシャマラン作品を内包した作品になると予想すると『アンブレイカブル』に更に『シックスセンス』の「死者の世界」や『レディインザウォーター』の「物語を具現化する力」はアメコミの現実化?と考えると『デッドプール』の「第四の壁」みたいなメタフィクショナルな世界が展開されるかもしれないと。
勝手な妄想ですが。

『レディインザウォーター』やはり見なくてはならないのか...(๑^ω^๑)
カンフー君と馬鹿親子映画は見なくて良いと思いますが。
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