NYのアウトロー刑事(スタローン)vs国際テロリスト(ルトガー・ハウアー)の闘いを描いた刑事アクション。
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『ロッキー3』と『ランボー』の前年に公開された、スタローン初の刑事映画。
期待以上。てっきり『コブラ』みたいなアクションスター・スタローンを全面に押し出した80's刑事アクション映画を想像していたが、『セルピコ』『ジャッカルの日』『フレンチ・コネクション』辺りを彷彿とさせる、70年代アメリカン・ニューシネマの空気感漂うクライムアクション映画だった。主演のスタローンも、アメリカン・ヒーロー期のスタローンではなく、『ロッキー』&『ランボー』の1作目に近いテンションだ。
初めて警察役を演じたスタローンと、本作でアメリカ映画デビューを飾ったルトガー・ハウアーのキャスティングがどんぴしゃ。かたや戦争のトラウマを抱える髭面のアウトロー刑事、かたや大胆不敵で冷血なテロリスト。ルトガー・ハウアーが、スタローンから主役の座を奪うほどの存在感を放っている。
スタローンの"見事な"女装や、NY地下鉄でのランチェイスシーン、スタローン本人の宙吊りスタントを含むケーブルカージャックシーンなど、アクションシーンを中心に見所が多い。
スタローンの相棒役は、『スター・ウォーズ』ランド役で有名なビリー・ディー・ウィリアムズ。本作は厳密にはバディコップムービーには当てはまらないのだろうが、ニック・ノルティ&エディ・マーフィがコンビを組んだ『48時間』よりも前に、白人と黒人がバディを組んだ刑事映画があったことは発見だった。革ジャンの下にスーパーマンTシャツを着ているのがお茶目。
81年の作品ということで、70年代後半のディスコブームの余韻が残っているのだろう、ディスコで音楽とダンスを楽しむ人々の様子が何度も描かれていた。スタローンがルトガー・ハウアーと初めて一戦交えるシーンもディスコ内だった。
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