19世紀ポルトガル文学を代表する小説家カミーロ・カステロ・ブランコ。葛藤と苦悩の末、拳銃自殺を遂げるに至ったその最期の日々を、手紙や新聞記事、調書などに取材し、その生家を舞台に描く。
実在した作家カミーロの、手紙や調書から忠実に再現された物語なので、かなり波瀾万丈な人生を送った人ということなのだろう。
それに加えて、とても繊細でペシミスティックな人だったのだということも分かる。…
その意図を汲み取るには難易度の高い(と感じる)、実験的で禁欲的な《アンチ・ロマネスク》である。よくは理解できないままに魅了されるタイプの作品だった。オリヴェイラは、同国ポルトガルの小説家カミーロ・カ…
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