オリヴェイラ特集、思いがけず完走。だけど最後のこれは観なくてよかったかな。絶対どこかでボケてくると信じてたのに。
4.3『アブラハム渓谷』
4.0『夜顔』
3.6『訪問、あるいは記憶、そして告白』…
「パルジファル」の前奏曲から始まる本作。ワグネリアンの私にとってそれだけで心躍るものだが、オリヴェイラはスコアから分解して音楽を映画の中に組み立てている。「パルジファル」も「トリスタンとイゾルデ」の…
>>続きを読む「オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集」から四本目である。やはり『アブラハム峽谷』とか見ると強烈なヨーロッパの美意識を感じる。
音楽にはワーグナーの「トリスタンとイゾル…
訪問者/居住者が厳格に分別されていた『訪問、あるいは記憶、そして告白』とは対照的に訪問者/居住者(現在/過去)が容易に侵犯。過去は再演された現在でしかないと赤裸々に暴露されていくため映像への疑いが常…
>>続きを読む車輪だけを映すショット。
演じる役者が誰を演じているかの自己紹介形式は『訪問〜』と同じ。
その形式の類似(『東北記録映画三部作』)や木々を見上げるかのように撮る移動撮影の類似(『悪は存在しない』)か…
常に意識される観客の存在
意思の宿る固定ショットの連続
私たちは話しかけられている
私たちは見つめている
度重なるほど大量に音読される手紙
それは舞台の上で読まれる朗読のようでいて独り言のよう…
冒頭のひたすら車輪を映す一連のカットは、かなり大胆で、かつ美しいものだったから驚嘆したけど、その後の話があまりにも面白くなかった。勿論役者が自身の役柄について説明するような構造は斬新だし、ショットの…
>>続きを読む© Madragoa Films, Gemini Films