荒野の狼

孫文-100年先を見た男-の荒野の狼のレビュー・感想・評価

孫文-100年先を見た男-(2006年製作の映画)
4.0
孫文が、辛亥革命(1911年)前年の1910年にマレーシアのペナンで革命の為の資金集めをしていた頃を描く2007年の映画。125分で、派手なシーンこそないが、孫文の諦めない不屈の精神と、孫文と恋人の陳粹芬 Chen Cuifen、華僑の富裕な商人の娘ダンロンDan Rong(アンジェリカ・リー)とその恋人ジャオリンZhaolingの二組のカップルの物語は飽きさせない。原題は「夜・明」英語のタイトルは「Road to Dawn」または「Before The Sunrise」で夜明け前といった意味。邦題の「100年先を見た男」といった内容は、映画の中にはない。孫文役は、1997年の映画『宋家の三姉妹』でも孫文を演じたウィンストン・チャオ(趙 文瑄、Winston Chao)で、この後、2011年には映画『1911』でも孫文を演じている。
歴史的にはペナンでは孫文は第一夫人宋慶齢、妾の陳粹芬、二人の娘と一緒であったが、映画の恋愛設定から陳粹芬のみが登場。ダンロンのモデルは、汪兆銘(おうちょうめい)の妻となる陳璧君(ちんへきくん、Chen Bijun、1891-1959 ペナン島で汪と知り合う。後に中華民国の政治家、獄死)。1911年の黄花崗起義(こうかこうきぎ)の戦死者72名「黄花崗七十二烈士」の一人であるLuo Zhonghuo。ジャッキーチェンが1911年で演じた黄興も最終版に数分登場。

以下は金言。

孫文:貧しくても金持ちでも、死は天が与えた平等な結末です。でも、どう生きるかは自分で決める。
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