荒野の狼

仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判の荒野の狼のレビュー・感想・評価

3.0
『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』は、2018年に公開の100分の作品。劇場版『仮面ライダーアマゾンズ』のSeason 1と2を視聴してから本作を見たが、内容の理解にはSeason 1と2の視聴が必要で、独立した作品ではない。2024年のTVシリーズ「仮面ライダーガッチャード」でクロト―役を演じている宮原華音に注目したが、本作では出演場面が少なく、宮原の魅力であるアクションはほとんどなく、蹴りすらみせないのは残念。ライダーシリーズのファンとして、Season 2に出演した 赤楚衛二の再登場を期待したが、本作の出演はなし。
本作は、ある村の孤児院の子供たちが、里親に引き取られていくが、その直後に、子どもが来ていた服が処分されることを、主人公のアマゾンが見つけるところまでは、潜在的な恐怖や謎めいた筋立ては優れている。本作のテーマとして、家畜に人権のようなものはあるのか、という問題。ここ数年、動物に苦痛を与えるような畜産は制限が加えられるようになってきたが、ペット、動物園、サーカスなどでの動物虐待に比較すると、対策は遅れている。本作では、家畜がたとえ幸せであると感じていても、飼育目的が、家畜を食べることにあるのであれば、その行為は許されるものなのか、という、さらに踏み込んだ問題も含蓄している。
しかし、アマゾンズの三作の完結編としてふさわしいテーマと内容であるかは疑問。Season 2でシリーズは完結しているといってよく、本作にはSeason 1と2の多くの主要メンバーの出演場面も少ない。話の展開にもスピード感がなく、戦闘も不要なものがあり(人間体でのアマゾン同志の闘い)、アクションにもこれといった見せ場に欠ける。アマゾンズ三部作は、結局、Season 1がもっとも優れており、尻すぼみとなった感はいなめない。
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