アキラナウェイ

世界最速のインディアンのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

世界最速のインディアン(2005年製作の映画)
4.8
これも人からのお勧めで鑑賞。
結果、大当たりで嬉しい!

夢を追わない人間は野菜と同じだ。

1960年代、ニュージーランドの田舎町インバーカーギル。独り小屋に住む67歳の男バート・マンロー(アンソニー・ホプキンス)は、オートバイ1920年型インディアン・スカウトの改造に日々勤しむ。彼の夢は、ユタ州ボンネビル・ソルトフラッツへ渡米し、その愛車で世界最速記録に挑むこと。塩湖の跡に出来た見渡す限り地平線と言える巨大な平原をバートが夢を背負って駆け抜ける。

アンソニー・ホプキンスが堪らなく愛くるしい!
ハンニバル・レクターを演じた俳優とは思えない程、ちょっとおとぼけで実直素直で人当たりが良い。

冒頭、隣に住む少年との交流でほっこりする。
歳の差が離れた友情は映画の謂わば鉄板ネタ。この時点でもう好きだ。

ボンネビルを目指すまでの道のりでは、様々な人々と出会うバート。皆んな皆んなが優しいのは、バートが優しいからか。ロードムービーとしても、とても好きだ。

そしてボンネビル・ソルトフラッツに到着して、レースが開催される!

減速させる為のパラシュートなし。
ブレーキなし。
規格外のオンボロオートバイで67歳が走るというもんだから、おいそれとは走らせてはもらえない。

25年の夢を叶える為に地球の裏側からやってきたと訴えるバート。周囲もついに根負けして、レース出場が認められる。彼の一世一代のチャレンジは必見!めっちゃ速いから!!

まだ書ききれない、愛くるしいアンソニー・ホプキンス演じるバートの魅力。

嬉しくなると踊り出すところ。スピードが出過ぎてゴーグルが飛んでいってしまった後の顔。モーテルで出会ったティナ、女装をした彼を「天使だ」「どこから見ても女性だ」と認めるところ。60年代でも、偏見を持たずに人を認める姿勢は尊敬に値する。

彼は旅をしながら色々なものをもらうけれど、
それは彼が色々なものを与えているからだと気付く。

あんなお爺ちゃんに僕はなりたい。