第1部
1936年ベルリンオリンピックの記録映画。その昔NHKBSで放送された際録画して観た。今回国立映画アーカイブのオリンピック映画特集の一篇として上映されるので出掛ける。他にもグルノーブルのペギー・フレミングやメキシコシティのナターシャ・クチンスカヤも観たかったのだけれど時間を作れなかった。あ、東京オリンピックも1965年小学校で見せられて以来だったのだが、今回は残念。
ベルリンオリンピックそのものはナチスの宣伝に利用されたのだろうけれど、本作はナチスを精一杯利用してレニ・リーフェンシュタールが撮りたいように撮り作りたいように作ったという気がする。芸術家のこころは常に一番を求めるものだ。『民族の祭典』という邦題にももはや悪意を感じる。
第1部の本作は陸上篇。が、競技そのものよりプロローグが強烈で、ここは忘却曲線の進行の早いわたしも前回観た時のことを思い出せた。
第2部
U2のコンサートに行った。たいていのコンサートと同じく熱狂の渦だった。とりわけスタンディングゾーンは拳を振り上げ反応している。高校野球の応援も凄まじいものがある。統一と団結。プロ野球の観覧席も応援しなきゃならないのかと、結構疲れる。サッカー観戦はしたことはないが、テレビ画面で見る観客の応援は常軌を逸している。
ナチスの大会でヒットラーの演説に熱狂している人々に重なってしまう。当時のドイツ国人はどんなのノリだったのだろう。果たしてナチスの政策に断然支持を表明していたのだろうか。謹厳実直で日本人の気質と似ているという風なイメージがあるが長いものには巻かれる、同調圧力には迎合。そうした精神も同じなのだろうか。
オリンピア第2部。あまりに長いので二部に分けたそうだ。
こちらは冒頭で全裸の男が北欧式サウナに入り、池に飛び込むというような映像が流れる。選手村の風景や、何故かカンガルーの映像が紛れ込む。驚きの映像は、体操競技を青空の下スタジアムで行っていたこと。
オリンピックそのものの費用は今ほどには掛かっていなかったんだろうな。
1938年製作。監督レニ・リーフェンシュタール 。