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ランジェ公爵夫人のodyssのレビュー・感想・評価

ランジェ公爵夫人(2007年製作の映画)
2.0
【ちょっとがっかり】

パリ社交界での男女の恋愛模様を描いています。期待して見たのですが、ちょっとがっかりというところですね。

第一の敗因は、ヒロインが美貌ではないということ。作中言われているように、社交に集まったパリの貴顕のなかでも一番美人という設定ですからそれなりの美女であらねばならないのですが、ジャンヌ・バリバールがそれほどの美貌だとはとても思えない。最近のフランス映画、美人女優に恵まれていないのかな? カトリーヌ・ドヌーヴは古すぎるにしても、イザベル・アジャーニやエマニュエル・ベアールで私の心をときめかせてくれたフランス映画の審美眼はどこに行ってしまったのでしょうか?

第二の敗因は筋書きが退屈だということです。同じようなシーンの繰り返し。まあ男女の接近や駆け引きには多少の繰り返しは必要ですけれど、(私は原作は未読ですが)映画なのだからもう少し洒落た展開を考えてほしいものです。室内の調度だとか登場人物の服装などはそれなりに楽しめましたけれど。

たしかに男女の恋愛はストレートにはいかないことが多い。駆け引きと真情、見栄と本音、激情と冷静とがないまぜになって、「こんなはずでは」という結末に至る場合が多い。絵に描いたようなハッピーエンドはもちろん、絵に描いたような見事な悲恋だって現実には難しいのです。唐突な終わり方は恋愛にまつわるそうした事情を表現したものだと言えなくもありません。でも、それで映画を見ている側が満足するかどうかは別の話なのですね。
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