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ラヴ・ストリームスの440のレビュー・感想・評価

ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)
4.1
最近カサヴェテスブームが来てる私。

ちょこちょこサブスクで観ていたんだけど、この作品はカサヴェテス作品の集大成との事でしたのでサブスクにも無いし、劇場で観たくて足を運んできました。

とにかく全編クセ強な姉弟の不可解な行動に気持ちが振り回された。
この何の話なのか分からなくなってくる感じがたまらんね。

「なんでこんな事しちゃうんだろ?」
「でも実際こんな奴らいるのかも?」
頭がバグってくる感じと理性と戦う2時間19分。
不思議な映画体験でした。

熱しやすく冷めやすい性格なのか、ただの寂しがり屋なのか、沢山の女性と関係を持っては遊び歩く小説家ロバート。
そして旦那とは離婚間近で娘の養育権で協議中のサラは愛しすぎるがゆえに精神的に不安定。

弟のロバートも姉のサラも人を愛する事に対し対極に位置している姉弟。
家族という関係で繋がってはいるが、中盤までは違うベクトルで理解不能な行動を取っていく様に失笑。

ただ、後半になるにつれ頭がバグった要因になったのがそんな2人が徐々にシンクロして見える事。
実の姉弟だからなのか?
映画の演出がそのように見せているからなのか?
クライマックスの嵐の中、家で起こる出来事は久々に思考回路がショート寸前だった。
カサヴェテスぶっ飛んでるよ。
すごい作品だった。

そしてちょいちょいコントみたいな流血を思い出し笑いしながら見届けるエンディングはなぜか暴風雨の後の晴れ間のような清々しさでした。
完全に感情を弄ばれたな。
ジーナ・ローランズとカサヴェテスのコンビはマジ最強。

あとからもっとジワジワ良さが染み渡ってくる気がする。
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