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『Bravo Bene!(英題)』に投稿された感想・評価

[イタリア、混迷を極める映画製作現場と消えた監督] 50点

2025年ヴェネツィア映画祭コンペティション部門選出作品。ダニエル・チプリとのコンビでも有名なフランコ・マレスコ最新作。マレスコは気難しく尖りまくった人物らしく、冒頭では作りかけの映画を残して失踪してしまい、監督の親友が映画を完成させようと監督を探すという本作品の大きな枠組みが語られる。マレスコの気難しさは冒頭から、ホテルの特定の部屋でしか髪を切らないとか、数日借りた友人の部屋の壁に意味不明な数字を書き殴って消えたとか、映画撮影に関係ない側面から紹介され、そういった彼の強い拘りが撮影現場に混乱をもたらしていく様が語られていく。どこまで本当でどこまで演技なのかは不明だが、彼のキャリアを振り返る中盤のシーンで語られる、冒涜的で大炎上した初期の作品群や、マレスコの気難しさに耐えきれなくなったチプリとコンビを解消した後の作品、特にヴェネツィア映画祭のコンペに入って審査員特別賞を受賞した前作『The Mafia Is No Longer What It Used to Be』の授賞式に出席せず、"国際的な賞とか全然興味ないんよね"と言っていたエピソードなどから察するに、マレスコの気難しさはどうやらガチっぽい。撮影している映画はカルメロ・ベーネ、その友人で聖人伝記作家の元小学校教師ガエタノ・マスケリーノと、彼が書いている"空飛ぶ聖人"とこジュゼッペ・デ・コペルティーノを描いている。特に聖愚者ジュゼッペはカルメロというロバを連れていて(露骨なドライヤー/パゾリーニ/ベルイマンのオマージュ…)、そこにかつでマレスコが撮った『Toto Who Lived Twice』の人物も混ざり合っているようで、そもそもの内容自体が混迷を極めている。イタリア映画に明るくないので、知らない人の内輪ネタという印象の方が強いが、尖りすぎた映画作家vs現実的なプロデューサーのバチ喧嘩は面白い。
3.0
【頓挫した映画を求めて】
第82回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品されたフランコ・マレスコ監督新作『Bravo Bene!』を観た。フランコ・マレスコ監督といえば、マフィア擁護のコンサート主催者を撮ったドキュメンタリー映画『The Mafia Is No Longer What It Used to Be』で第76回ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を受賞している監督であるが、イタリアのローカルなネタを扱っているため、日本では全く紹介されていない。本作も、今回のヴェネツィア国際映画祭コンペティションの中で最も日本に入ってくる可能性が低いであろう作品だ。あまりにイタリア事情が絡むハイコンテクストな内容で、土地勘がない人にはよくわからない作品だからだ。一方で、三大映画祭地元映画枠にありがちなつまらない作品かと訊かれたら、そうでもない作品であった。恐らく、事情をある程度知っていたら傑作といえるのではないだろうか?

本作は映画監督であり劇作家でもあるカルメロ・ベーネ(『トルコ人たちのマドンナ』で第29回ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞を受賞している)の映画を制作する。しかし、度重なるリテイクにより怒りを募らせたプロデューサーの手によってプロジェクトは中断されてしまう。フランコ・マレスコ監督は失踪し、彼の友人であるウンベルト・カントーネが介入する様子を描いたモキュメンタリーとなっている。

要は『ホドロフスキーのDUNE』や『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』に近いような作品であり、未完の映画を多面的に捉える中で映画監督や映画業界の傲慢さやロマン、軋轢をそのものに迫るといった内容となっている。

実際に制作されている作品は白黒で撮影されていて、『第七の封印』やパゾリーニの露骨なパロディが提示されており、開き直った、でも腕のある監督による再現の凄みに惹き込まれる。そして、メイキングの晴天化のロケ地を交差させることで、プロジェクトに揺蕩うロマン、そして遅延が続くことによる焦燥感が浮かび上がってくる。全く土地勘のない監督の映画頓挫話なので、内容自体はピンと来ないものの、創造の世界の高揚感と異様さはばっちり伝わってくるユニークな作品であった。