セルジオ・レオーネを師匠に持つトニーノ・ヴァレリー監督の、
のんびりコメディチックな風変わりな西部劇です。
老境に差し掛かった伝説のガンマンヘンリー・フォンダに何かと付きまとう男テレンス・ヒル。
彼は自分のことを Nobodyと称し、
盛んにヘンリー・フォンダを挑発する。
テレンス・ヒルは、
ヘンリー・フォンダに、
150人の大悪党軍団ワイルドバンチと闘って、
歴史を刻んでほしいという。
常に命を狙われているフォンダは、
心が休まらない西部での生活から離れたかったのだが、
ヒルによって巧妙な仕掛けによって一人で150人との戦いに挑まなければならなくなる。
早送りやコマ落としでのコメディ場面や、
マジックハウス内での悪党との撃ち合いなど、
楽しい趣向がのんびりタッチで繰り広げられる。
先住民の墓の中の名前に、
サム・ペキンパーという名前を見つけ、
『先住民にしては変わった名前だな』なんていう楽屋落ち的なギャグもある。
早撃ち対決など、
西部劇ではおなじみのシーンがてんこ盛りだが、
圧巻はヘンリー・フォンダ対150人のワイルドバンチとの決闘。
“ワルキューレの騎行”の音楽に乗って攻めてくるシーンはド迫力!
これを仕組んだヒルは、
汽車の上で高みの見物。
フォンダに加勢するのではないかと思いながら観ていると肩透かし。
意外なオチがありますが。
プロローグでの床屋の場面が、
ラストシーンにリンクしてたりするのは面白いし、
コメディリリーフ的に出てくる3人の悪党も間抜けだ。
エンニオ・モリコーネの音楽が好調。