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Love Letters(英題)
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『Love Letters(英題)』に投稿された感想・評価

[フランス、同性婚と"母親"について] 80点

傑作。アリス・ドゥアール長編一作目。2014年、 同性婚法案が可決された年の春、結婚したセリーヌとナディアは出産の準備をしていた。子供を生むのはナディアの方で、セリーヌは事務手続きを担当している。施行されてから間もないこともあって前例も少なく、手続きが異常に煩雑なのに苛立ちを覚えていた。なんと、ナディアとの子供が書類上ナディアだけの子供となり(しかもナディアはセリーヌの姓に変更したのに子供はナディアの旧姓になる)、その上で15人の友人や親族が書いた証明書や大量の写真を提出し、1年以上判事の決定を待ってようやく二人の子供となるらしい。そして、セリーヌはその証明書の1通を、疎遠になった母親に書いてもらおうとする云々。物語は親になる不安を実際に友人夫婦の子供たちと触れ合ったり、友人夫婦の体験談を聴いたりすることで増幅させていくという普遍的なテーマもありつつ、二人共女性ということで伝統的な意味での"母親"とは何かと思い悩み、上記の同性婚を"認めてもらう"ための作業も煩雑で、周囲の人物たちは無遠慮にマイクロアグレッションを繰り返すといった、同性婚だから発生するテーマも描かれており、それらは複雑に絡まり合っている。セリーヌ、ナディアそれぞれが思い悩む感情の繊細な移ろいを、決して過剰なメロドラマや悲劇的なシフトをすることなく実に軽妙に描き出していく。

セリーヌの母親マルグリットは世界的にも有名なピアニストで、良く言えばさっぱりした性格、悪く言えば冷淡な人物であり、子育ては全て夫に丸投げして、ツアーで頻繁に家を開けていた(夫はセリーヌが子供の頃に亡くなったようだ)。なんとか気持ちを奮い立たせてやって来たセリーヌに対する態度も、来るもの拒まず去るもの追わずといった感じで、母娘の間にはマイクロアグレッションを繰り返すナディアの両親とナディアの間に流れるものとは違った緊張感が漂っている。ピアニストなのはイングマール・ベルイマン『秋のソナタ』へのオマージュなのだろうか。ただ、両者の間にあるのは憎悪ではなく困惑に近く、セリーヌからするとマルグリットは彼女の人生にほぼいなかった人物なので、今更どう接して良いのか分からないのだろう。それにしても、セリーヌはクラブの音響監督の仕事をしているし、煙草は吸いまくるし、ちゃんとマルグリットの背中を追っている感じがして、だからこそ身近なロールモデルがマルグリットしかいないので"母親"というものが分からず、"母親"になれるのかという不安が渦巻いているのだろう。興味深いのは、マルグリットとの拗れた関係性の中にレズビアンであることは含まれないことか。レズビアンであることに対して何か言われるから会いたくないわけではなく、単純に娘として不在がちだった母親との距離感を測れないというだけなのだ。結局、最後まで関係は劇的な変化は見せず、ほぼ平行線のままに見えるが、娘の迷いを理解するマルグリットは手紙を通して力強くセリーヌの背中を押すことになる。貴方は私と違う、貴方なら出来る、と。