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独裁者のktyのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
3.0
映画史上の名作の一つですが違和感が残りました。とても残念です。

それは、最後の演説です。
最初はいい演説だと思ったのです。
皇帝になりたくない。
支配や征服はしたくない。
皆を助けたい。
お互いの幸福によって生きたい。
お互いに憎しんだり軽蔑したくない。

これらは自国民に呼びかけたものです。


しかし後半は
自由のために戦おう。
民主主義の名の下に力を使い団結しよう。
新世界のために戦おう。

これらはアメリカ国民に呼びかけたものです。

だって最初に征服したくないと呼びかけてたのに、最後に戦おうなんて自国民に対して矛盾するように感じますよね。

しかも、映画を観ているアメリカ国民に呼びかけるの、聖書の一節まで引用してます。

奇しくもこの映画の公開の前の月は日独伊三国軍事同盟が結ばれました。
タイミングとしても戦意高揚に利用されたように思えます。

この演説が自国民に対して、戦争反対、戦争を止めようと呼びかけていれば良かったのに、逆になってしまったのはとても残念です。特に演説後のハンナに呼びかける下りが素晴らしいのに。
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