世界に誇る日本のアニメ。
『マトリックス』の原作といっても過言ではないのではないか?
漢字だらけの荒廃した都市に降る雨。
光学迷彩で影だけが動く戦闘。
水中から見上げた夕焼け。
電脳世界。水面に映るビル。
「擬似体験も夢も、存在する情報はすべて現実であり幻」
「それが可能であれば、どんな技術でも実現せずにはいられない。それが人間の本能」
「人間のDNAも自己保存のためのプログラムに過ぎない」
「人はただ記憶によって個人たりうる。たとえ記憶が幻の同義語であったとしても、人は記憶によって生きるものだ。コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にしたとき、あなた達はその意味を真剣に考えるべきだった」
哲学的なセリフの数々と、詩的なアニメーション世界。
2029年、アジアが世界の覇権を握っているという設定にも、先見の明ありだ。
中国風の音楽も、聴けば聴くほどカッコよく響く。
公開:1995年
監督:押井守