Nella

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のNellaのネタバレレビュー・内容・結末

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

何年か前にまた劇場でかかったので改めて見に行ったんだけど、何回も見てるのに展開がスリリングで最後まで手に汗握って見ちゃうんだよな。
短いせいもあるかもだけどスピード感も凄くて、電脳だの光学迷彩だの初見ではよく分からない設定も、飲み込めないままグイグイ話が進んで行く。だから何度も見たくなるのかもですね。素子のほぼ独白に近い小難しい長台詞とかも、お経みたいで一回聴いただけじゃ何のこっちゃだし、かと思えば1分近くエレベータの中で喋んなかったり(笑)実験的な要素とエンタメが融合しててほんと面白い。
私はラスト近くのあのファミリーツリーに弾痕が付いていくカットが大好きで、一種のカタルシスを感じるんですよね。どのシーンにも哲学的な理由付けができそうで、考察厨にはたまらないよね。

押井守は次回作の「イノセンス」でも、台詞を極力引用にする(全部引用にしたかったが無理だった)という狂気じみた実験をやってて、アニメを映画として考えてる監督なんだなと思いました。アニメを作る人はよく「アニメにしかできない表現をやりたい」と言うけど、押井守は実写でもできる実験をアニメでやろうとするというか…恐らく人と同じ事をやりたくないんだと思う。OP曲からして、SFなのに民謡だなんて独特すぎるじゃん。
独創性という意味では抜きん出ているし、だからこそこの作品も長く語り継がれる事になったのだと思う。
Nella

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