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恒星の向こう側

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恒星の向こう側の作品紹介

恒星の向こう側のあらすじ

東京でこどもの居場所支援をするNPOで働く未知(福地桃子)は、母親の可那子(河瀨直美)が倒れたという連絡を受けて、久しぶりに実家のある奈良へ帰る。そこで知らされたのは、可那子が進行性のがんを患っており、治療を拒否しているという事実だった。闘病生活をサポートするために休職して戻ってきた未知に可那子は言う。「親子でもな、他人やで」。自分の選択を母に否定されながら育ったトラウマから抜け出せない未知と、思うように娘を愛せなかった可那子は、親子関係に確執を抱えていた。そこへ未知の夫で演出家の登志蔵(寛一郎)がやって来る。登志蔵に別れた未知の父親を重ねる可那子。実はこのとき未知の体には新しい命が宿っていたーー。

恒星の向こう側の監督

中川龍太郎

原題
Echoes of Motherhood
製作年
2025年
製作国・地域
日本
上映時間
92分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ナカチカ

『恒星の向こう側』に投稿された感想・評価

背骨
4.0
中川龍太郎ワールドが好きな方なら絶対大好物。てか、良すぎる。これまで喪失を描いてきた中川龍太郎が、そこからさらに次の命へと続いていく物語を描いた進化系にして現段階での到達点

新しい命を授かった娘と死期が近づいている母親。疎遠だった二人は母の病状が悪化した事をきっかけに一緒に暮らす事になる… というストーリーを主軸に、母の過去と、その母と娘の物語を舞台化しようとする娘の夫のストーリーがシームレスに描かれる

ずっと子どもを愛せなかった母親と母から否定され続けトラウマを抱える娘の確執。しかしここで描かれるのは毒親と可哀想な娘というわかりやすくて安っぽい構図などでは決してない。それは詩的でファンタジックな手法で描かれる親と子、男と女の中にある繊細で複雑でリアルな感情…

女性たちの連帯の物語と同時に描かれる男の無関心さと無力さとそれをなんとか理解しようとする不恰好さ。女と男の間にどうしても生まれてしまうわかりあえなさを、断絶ではなく、断罪や卑下するでもない出来る限りニュートラルな視点から芸術とし昇華させようとする姿を描く姿勢も好き

河瀨直美、福地桃子、朝倉あき、南沙良、久保史緒里… 女優陣のキャスティングが良すぎる。さすがです。てか、ありがとうございます。中でもメインの河瀨直美と福地桃子、二人が心の奥底にあるものをぶつけ合うシーンは場の空気を止めてしまうような迫力があり、完全に目を奪われる
河瀨直美さんは既に監督として世界で認められている人だけど、役者としてのポテンシャルも相当ヤバいって
4.2
公開記念舞台挨拶回鑑賞
福地桃子、寛一郎、朝倉あき、久保史緒里、中川龍太郎監督登壇


中川監督曰く、キャリアの集大成として撮られた作品

母親と心通じる事が出来ず、苦悩する娘の葛藤を描いた作品
母親の若かりし頃の想いを当時と、現代の舞台劇にラップさせながら進んでいく展開構成が見事でした

福地桃子さん、寛一郎さん、想いを馳せた姿をみせた熱演、素晴らしかったです
それ以上にインパクトを残すのが母親役を演じた河瀬直美さんの演技、近寄りがたい怖さを帯びた冷たさを感じる姿は本当にお見事でした

色々あっても、やっぱり血の繋がった家族なのだと思わせてくれる、心に沁みる良い作品でした。

作品後半に見せる、山頂から覗く夕焼けのシーンがとにかく美しかった
4.9
【他人にも通う血】

中川龍太郎監督×福地桃子主演の2026年のヒューマンドラマ作品

〈あらすじ〉
東京の子ども居場所支援NPOで働く未知は、母の可那子が倒れたという知らせを受け、久しぶりに実家のある奈良へ帰郷する。そこで告げられたのは、母が進行性のがんを患っており、さらに治療を拒否しているという残酷な現実だった。幼少期、自分の選択をことごとく母に否定されたトラウマから確執を抱える未知と、娘を思うように愛せなかった可那子。お互い不器用に寄り添おうとしながらも、二人は何度も衝突を繰り返し…。


〈所感〉
都内にいるうちに本作を見たくて日比谷にあるTOHOシネマズシャンテにて劇場鑑賞。2作品しか上映してないミニシアターだが、シアタールームは案外広くて見やすくて大満足だった。本作は中川龍太郎監督が「喪失と再生」をテーマに描いた三部作の最終章の位置付けとなる作品のようだが、三部作で直接的なストーリーの繋がりは無いので、本作が初めてだった私でも十分に楽しむことができた。私はなんとなく南沙良と久保史緒里というキャストに惹かれてこれを見たのだが、この二人が安定の持ち味の生かされ方をしているのは勿論、主演の福地桃子とその母を演じた河瀬直美は正直どちらも知らなかったのだがとても素晴らしかった。特に河瀬直美は凄まじい役者さんだと思ったら映画監督ということで驚き2倍。今度この方の作品も見てみたい。彼女が演じる可那子は、娘の未知のフィルターを通すと、どう見ても身勝手で傲慢で人としての温かみを感じない毒親でしかなく、不快感が募る一方であったが、そんな可那子にも大切な人との思い出がカセットに色濃く吹き込まれていて、南沙良演じる若き日の「神様なんてインチキや」といった悲痛の叫びによって、向こう側の彼女に少しだけ近づけた気がした。それでもこの親子は根本的に断絶しきっていて、もはや回復の見込み無しに思えた時に、3人が見たあの光景は忘れ難いものだった。子供というよくわからない存在に対して「未知」と名付けた可那子の気持ちもわかるし、これまでずっと自分の感情も意思が蔑ろにされてきた未知の母への怒り、憤りも痛いほどわかる。「態度に出さないだけで、いつも心の中で色んなこと言ってる」と夫に語っていた未知は優しすぎるのだと思う。冒頭でも子供との近すぎる距離感の付き合い方に抵抗を見せていたし。確かに、どれほど距離が近い親子だって所詮は他人。されど、その親子というパッケージによって生かされている面もある。この二人の関係性は、厳しさの中に確かなも温かさがある。きっと分かり合えないけど、わからないままに受け入れる。それが、恒星の向こう側に想いを馳せる、声を届けるということに繋がっていくのだと思う。時系列の転換や差し挟まれる劇中劇、ダイレクトな語りを排した演出など、視聴者の想像力に委ねている部分も多いため、なかなか親切な作品とは言えない思うが、奈良のロケ地の切り取り方が詩的でエモいし、演者の表現力が十二分に発揮された、狂おしくも目映い親子ドラマでした🙂

"涙ってあったかいんやな、生きてる証や"

《2026年 719本目 劇場鑑賞 58本目》

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