イチロヲ

カニバル/世界最後の人喰い族のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
フィリピン上空にやって来た石油開発技術者の青年とその一行が、食人族が縄張りにしている密林地帯に不時着してしまう。爆発的ヒット作「食人族」を製作する以前の、ルッジェロ・デオダート監督が手がけたカニバリズム・ホラー。

全編に渡って、密林をサバイバルしている感覚がとても強いため、終始ドキドキさせられる。「空腹に耐え切れずキノコを食す→猛烈な腹下しを起こす」の定形をきちんと踏襲しているあたりがエライ。

食人族が住処にしている大洞穴のシチュエーションも驚異的であり、大きなスクリーンで見られない悔しさに見舞われる。食人族の人々がオブジェのように配置されており、まるでアングラ劇団の舞台劇の一場面を抜き取ったかのような映像になっている。そんなところも面白い。

後に製作される「食人族」では、亀の解体がショッキングシーンとして挙げられているが、本作では食用のワニの解体を見ることができる。職人のように手際がいいので、グロいというよりも「この人たちにとっては、いつもやってることだよね」としか感じられない。(ラストにはアレが見られるがネタバレになるので言及は避ける)

「食べる、セックスする、寝る」という本能的行為が日常的にできることほど幸せなことはない。そんなことを考えさせられる良質な作品。

グラマラスなヒロインを演じているのは、イギリスとビルマのハーフ女優Me Me Lai。見目麗しいマスクと、ボン!キュッ!ボン!を具現化したかのような肉体美を持ち合わせている。この女優は「ラスト・カニバル 怪奇!魔境の裸族」でもヒロインを演じているので、気に入った人は要チェック。