Inagaquilala

ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォーのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.6
フランスのヌーベルバーグを牽引した2人の監督、ジャン=リュック・ゴダールとフランソワ・トリュフォーにフォーカスしたドキュメンタリー。当初は映画界の新たな潮流の中で共闘しているかに見えた2人だったが、やがてゴダールは政治的主張を作品に盛り込むようになり、一方トリュフォーは徹底した職人監督の道を選び、2人の仲は決裂する。その過程を追いながら、ヌーベルバーグの貴重な映像も交えながら、1960年代のフランス映画史をフォローする内容となっている。

興味深いのは、名家の生まれでスイスのジュネーブで育ったゴダールと、パリの問題ある家庭で育ち何度も感化院に入ったという不良少年のトリュフォー、この2人の出自の違いがその後の映画作家として歩む道を決めたのではないかという対比だ。双方の作品に頻繁に登場した俳優のジャン=ピエール・レオの証言が貴重なものとなっており、両者の間で引き裂かれる心情などが明らかにされている。2010年のフランス作品。
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