爆裂BOX

0:34 レイジ 34 フンの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

0:34 レイジ 34 フン(2004年製作の映画)
3.5
パーティー会場を抜け出して地下鉄で帰宅しようとしたケイトはうたた寝して終電を乗り過ごしてしまう。駅に閉じ込められたケイトだが、何故かまた電車が駅に到着し…というストーリー。
地下鉄を舞台に女性が殺人鬼に襲われるスラッシャー・ホラーです。「トライアングル」や「サヴァイヴ 殺戮の森」のクリストファー・スミス監督のデビュー作です。
前半はケイトが駅の中を逃げ回り、酔っぱらってケイトを襲おうとした同僚のガイや駅に住むホームレスカップルジムとマンディや警備員が謎の殺人鬼に襲われる様子が描かれますが、不気味な雰囲気や緊張感もあり結構ハラハラします。殺人鬼クレイグが現れると大量のネスミが現れる描写も不気味さに一役買ってますね。殺人鬼の顔が初めて画面に登場するシーンはかなりギョッとさせられました。そんなすごい怖い顔してるわけじゃないけど見せ方が良いんでしょうね。いきなり出てくるんで虚をつかれましたね。
グロ描写は喉切り裂きや刃物に頭突き刺すくらいかな。そんなに激しいものはなかった気がしますね。マンディの手術台のシーンは残酷描写は無いですけど、陰惨で嫌~な雰囲気に満ちてて良かったです。
殺人鬼クレイグの正体は最後まで謎のままですね。彼がアジトにしてる下水道や地下鉄に通じる謎の施設に残された科学者っぽい人の写真など推察できそうな物は一応出ますけど、情報少なすぎて推察できないんですよね。まあ、正体不明で謎のままなのも得体の知れなさを感じられるという点では良いですね。後半喋って命乞いしたかと思ったらマンディの命乞いの言葉を喋ってただけという所も良かったな。
後半、クレイグの姿が露になってからは見た目ひょろがりなんで強そうに見えなくて緊張感とかが一気に減った感じしますね。先につかまってた下水道作業員ジョージにボコられますし、ヒロインに喉の鎖付きの鈎針刺されて引っ張られたら簡単に引っ張られますし。その割にヒロイン殴ったら吹っ飛ぶけど。ホームレスだけならバレないかもしれないけど、、警備員や電車の運転手も殺してるし、電車も勝手に運転してるのに大騒ぎになってないのも解せないな。
ヒロインが結構嫌な奴なのも評価下げてる要因でしょうね。最初はレイプされかかったり、地下鉄から出られなくなって殺人鬼に追いかけられる所は同情誘いますが、何かといえばお金渡してホームレスに言う事聞かせて(そのせいで襲われる)嫌な態度とって「生意気な女だ」って言われますし、後半も同行するジョージに「あれやって」「これやって」と助けを求めるけど自分は中々行動しない所はイライラさせられますね。演じたフランカ・ポテンテもインタビューで「嫌な女」「酷い目にあってもざまあみろと思う」って言ってるし(笑)走るシーンとそれを正面から捉えたショットが多いのは「ラン・ローラ・ラン」へのオマージュかな?
最後は高圧電流で倒すかと思っただけにあれは意表突かれましたね。その後の、最初に見下してた人と同じ扱い受けるラストは皮肉効いてて結構好き。主人公は小銭渡さなかったのに渡されるのも良いですね。
カップルが飼ってる犬は殺されるかと思ったら(後半殺されたような鳴き声と音しましたよね?)生き残ったのは意外だった。クレイグは犬好きだったのかな?
評価が低い点もわかる所ありますが、ショック描写も良い所あるし、スラッシャーとしては悪くない出来だと思うので、この手の作品が好きな人ならまあ楽しめるんじゃないでしょうか。