mさん

キツツキと雨のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

キツツキと雨(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

とにかく役所広司が良かった。表情一つで映画に出演できて嬉しくなっているのがわかるし、どんどんとのめり込んでしまうのは笑の大学を彷彿とさせる。特にあのお風呂場での演出を決めるシーンは笑の大学を思い起こさせた。

段々とお風呂場で距離が近くなっていく小栗旬と役所広司の2人がよかった。

あと映画に出ることは凄いんだと周りの土木仲間に言われて鼻が高くなる役所広司も最高だった

自分の息子が出ていてってしまい、その息子の代わりに映画監督の幸一を気にし出してしまう彼が凄いよかった。

最後全く別の現場で撮影が始まり、その掛け声が聞こえた次の瞬間、冒頭の役所広司が映し出される。この映画自体もさまざまな苦労があってできたんだと伝えてくるような演出で少しグッと来た。

ただ横道世之介とかは大学生っていいなって気持ちになったけど、今作は映画制作っていいなあとかは思わなかった。
「映画制作」の辛さをカメラマンの暴力で分かりやすく出してたけど、その若手はやめてしまったし、そこに関するフォローが全くない。これは映画監督が作っているからすごくリアルな映画制作の現場なんだろうけど、とにかくこんな現場が主流なのかと思うと嫌になった。映画制作ってこんなに辛いんだよとかいう文脈でもないし、映画制作って楽しいよっていう文脈でもなく、ただ単に映画制作のスタンダードはこんな感じっていうふうに描写されてるから、こっちも乗りずらい。もっとあからさまに酷くして後半改善するだったり、そもそもそういう描写をしなければいいのに少しだけサラッとやるから、どうやってこの映画制作の現場を評価すればいいかわからなかった。

カメ止めの現場は一つのことに向かっていく感じが一人一人のスタッフに見えたからいいなと思えたんだと思う。
mさん

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