フェミ研ゼミ

君に届けのフェミ研ゼミのレビュー・感想・評価

君に届け(2010年製作の映画)
5.0
こんなただ普通の高校の映画他にない。
本当に普通の映画だった。
それが良かった。
ドラマチックな出来事なんて全然なくて、
普通の高校生が好きな人に「好き」と伝えるまでの春夏秋冬。
でもその季節、四季がめぐるだけの一年なんだけど好きな人が居るということはこんなにも輝かしいんだな。って観ていて胸が締め付けられた。

昨日春馬くんが死んじゃって、特別ファンでもなかったのに、悲しくて涙がでた。
そしたら突然高校時代の友達から連絡があった。
そして今日友達が家に来て二人でこの映画を観た。二人とも特別ファンでもないのに、どうしてこんなにも悲しくて切ないんだろうね。って言いながら二人でちゃんと観た。
私たちは春馬くんと同じ学年で、
私たちが高校生だった頃は、岡田将生派か三浦春馬派かみたいな感じだったよね。とか、
みんなで漫画回し読みしてたねとか懐かしく思いながら話した。
どちらかといえばわたしは岡田将生派だったし、この映画もリアルタイムで上映された時も、レンタルが始まった時も観なかった。バイト先の同い年の女の子は君に届けの漫画も三浦春馬も大好きで、めちゃくちゃに良かったよ!って興奮気味にすすめてくれたけど、全然観る気にならなかった。
あの時観ていたらどんな風に感じたんだろう?って今すごく思う。
10年後30になった私は観て良かった。キュンとするってこんなにも胸が苦しかったけ?と思っている。
10年前ハタチの私がハタチの春馬くんを観ていたらこんなにキュンとしていたかな。
たぶんキュンとしていない。
「普通の高校生の話で全然面白くない」って言っていそうだ。
高校生っていいなって思ってしまった。
いくら昔が楽しくのても過去に戻りたいと思ったことがなかったけど、高校生をまたやりたくなってしまった。
毎日教室に好きな人も嫌いな人もどっちでもない人がいるのも今となっては面白いな。
好きな人と席が隣になったり友達と寄り道して帰ったり。それだけで楽しくて。なんかいいなあ。
あの頃は大人になりたかったんだけどな。

学生の頃、通っていた書道教室のお婆ちゃん先生に、「今青春?」と聞かれたことがあった。
「青春てなに?よくわからない」と答えた。
「そしたらじゃあ今青春なのよ。青春は終わってから気づくの。」と言われたことがあった。
正しくそうだったな。って今日春馬くんの眩しい笑顔をみていて思ったのでした。
俳優さんは映画の中で永遠に生きていられる。嬉しくて悲しくて悲しくてでも良かった。
微笑みの爆弾って彼の笑顔のことなんだろうな。
とかどうでもいいことばかり考える。
死ぬってどういうことか全然リアルじゃない30の私。
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