ブタブタ

狼よさらばのブタブタのレビュー・感想・評価

狼よさらば(1974年製作の映画)
4.0
『狼よさらば』リメイクのニュース。主演のブルース・ウィリスは正直どうでもいいのですが監督がイーライ・ロス!正気??(笑)
『ホステル』『グリーンインフェルノ』の監督で『狼よさらば』って!
軽犯罪を犯しただけのチンピラ共を首チョンパしたり目ん玉抉り出したり串刺しや五体バランバランにしたりするんでしょうか?(笑)

自分くらいの世代にとってはブロンソンと言えば「う~んマンダム」のCMの人として余りにも有名。

ヴィジランテ(自警団)モノの元祖とも言える作品ですが、厳密に言うと家族の復讐ではないのですよね。
容赦なくぶち殺されるのは主に関係ない悪党や軽犯罪者ばかりと言う理不尽さとごく普通の善良な一市民だったポール・カージー(ブロンソン)が次第に「犯罪者狩り」と言う「ゲーム」にハマっていく狂気と、確かに始めはそこにあった筈の家族を無惨に奪われた事への怒りや復讐と悪を憎む正義の心や義憤がいつの間にかただひたすら悪党を求めて街を彷徨う快楽殺人鬼と化していく。
さらには世間からの支持や警察からも犯罪者ではあるけど心情的には応援する、みたいな社会からも犯罪抑止力として機能し始め社会に影響を与え始めると権力者達も無視出来ない存在になっていき...と。

ストーリーには解決も進展もなく全てが淡々と進んでいて、アマチュア刑事(この訳でいいの?(笑))の存在に対しまわり(社会)は大騒ぎになっているのにその本人であるポール・カージーだけが空っぽの真空地帯にいるような空虚で渇いたニヒリズムやダンディズムを感じます。

当初主役はスティーブ・マックイーンにオファーされてたらしいのですが、またブロンソンはこの役はダスティン・ホフマンがいいと語ってたらしいですが、この映画のリアルに見えてリアルじゃないマンガ的な残酷さや嘘臭さを成立させているのはブロンソンと言う完成されたキャラクター(外見も性格も)だからこそだと思います。
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