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川の底からこんにちはのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

川の底からこんにちは(2009年製作の映画)
3.0
実家のシジミ工場を経営することになった無気力な元OLが人生に立ち向かっていく姿を描いたコメディ。
ロケ地は茨城県茨城町ほか。
主演の満島ひかりは本作で出会った石井裕也監督と2010年結婚したが、2016年離婚している。
(2009、1時間52分)

田舎から上京して5年目のOL佐和子(満島ひかり)は、仕事も5ヶ所目、男も5人目と長続きせず、何となく生きている。
父(岩松了)が入院したという叔父(志賀廣太郎)からの知らせが入り、田舎に戻って家業のしじみ工場を継ぐように言われる。
高校卒業後男と駆け落ちして家を飛び出してから一度も帰っていないので、乗り気ではなかったのだが、付き合っている職場の上司、健一(遠藤雅)の希望もあり、会社を辞めた彼と、彼の連れ子、加代子(相原綺羅)の3人で帰省する…。

~他の登場人物~
・幼なじみの村岡友美(鈴木なつみ):高校時代の恋人を佐和子に奪われる。
・しじみ工場の経理、遠藤進(菅間勇)
・工場の従業員のおばさん、塩田敏子(稲川実代子)
・その夫のしじみ取り、塩田淳三(猪股俊明)

「あたしなんか、中の下ぐらいの女ですから」

「それってしょうがないですよね」

「あんただってさぁ、しょせんたいした子どもじゃないんだからね。だから頑張らなきゃしょうがないんだからね」

(木村水産 社歌)
「…中の下 中の下
どうせみんな大した人生じゃないし 
端っから期待してません…」

「しょうがないから、明日も頑張るね」

子ども好きではない主人公と、交際相手の連れ子は共に母親がいないことで共通している。
遠藤雅がセーターを編むシーンが何度も出てくるが、7歳のときに母を病気で亡くし父親に育てられた石井監督の想いが全体に詰まっている。
ただし、エキセントリックな満島ひかりを始め、デフォルメされた不自然な人物像と演技、そして会話が気になる。
コメディは難しいと感じさせる。
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