このレビューはネタバレを含みます
ある黒人街のティーチライト
2010年6月30日 20時35分レビュー。
アカデミー助演女優賞モニーク受賞。アカデミー脚色賞受賞ジェフリー・フレッチャー。
原作女性詩人のサファイア(実際にニューヨークのハーレムでソーシャルワーカーや教師をした経験有り。)。
製作、監督リー・ダニエルズ。リー監督は二作目。もともとキャスティングデレクター出身、「チョコレート」製作してハルベリーにアカデミー黒人初主演女優賞をもたらしました。
テレビで、主演のガボレイ・シディベの来日風景を見ました。原宿で驚いていたっけ?
アカデミー賞でのモニークの涙コメントに感動。ガボチャンの姿、ハーレム、アカデミー受賞受賞、口コミの米大ヒットの噂を耳にしつつ鑑賞してまいりました。
いやー、これは、絶対スパイクリーには、撮れない「フレッシュな刺激」にとんだある意味青春映画です。
ディープ、とてもディープな現実を目の当たりにする力強いお話でありました。
俳優の映画ですね。
みなみな素晴らしいマイナスオーラを全身から発しております。
暗いですですが、真に迫る俳優の素晴らしさが生きています。
ぴちぴち、きれいなものをお求めの方は、ご遠慮ください。
リアルな話、黒人街、ハーレムに息づいてるリアルドープな深い絶望と光についてのお話です。
大変感動しました、涙もでました。
本作のようなマイナスな「黒人物」は、
私の殿堂作品ジョンシングルトン監督の「ボーイズンザフッド」から
マティリッチ監督の「ストレート・アウト・オブ・ブルックリン」、
オリバーストーン製作「サウス・セントラル」。
ヒューズ兄弟監督「ポケットいっぱいの涙」等々
80年代後半から90年代前半にかけて
スパイクリー監督の怒涛の快進撃を皮切りに黒人監督が数々の作品を製作してきました。
その中でも「貧困、下層犯罪、麻薬」をファッショナブルに、赤裸々に、表現されてきた映画の系譜がありました。
本作はそんな背景も飛び越えます。中学生の黒人ティーン、大きなガボレイ・シディベの物語。彼女の母、モニークの悪意のあるアンラブな親。ガボちゃんのたたずまい。これだけでも大必見であります。内容はふせます。
良かったのが、
お気に入り女優ポーラ・パットン。いやーとってもやはり、お綺麗でした。教師の役ででています。
トニスコ監督の「デジャブ」で一目ぼれ、本作では「ラブ」で一味違う教師を演じています、必見。
本当にこれがアメリカの日常なんでしょうか?
とても胸が痛い、大丈夫かアメリカ?
やっぱり病んでいるか?
アメリカ?と思っちゃいます。
お子さんをお持ちのお母様には到底理解できない現実かもしれません。しかし、あるんですね、、、ふーっ。
受け入れるのに一苦労な声、悲痛な声、痛み、苦しみ。
私は、結末もそうなんですがなにより、生きる事に光をてらす「学びの心」の大切さ。
テーチライトな輝かしい「教育」の素晴らしさ。可能性というより学ぶ心を忘れない素晴らしさを「ガボちゃん」から、感じ取りました。
劇中テーチライトなまぶしい光が漏れます、ぜひお見逃し無く。そしてところどころ、笑えます。それは、じつは、あまり笑いたくない事でもあるんですが、、。
あと、びっくりゲストに本作に賛同した二大シンガー、マライヤキャリーとレニー・クラヴィッツが、何気に出演。いい感じの力演。
あとあと生徒役でガボちゃんの隣の生徒のかけてる眼鏡が80年代ぽくてカッコいいです、余計な必見ポイント。
ガボレイ・シディベの生きる姿インハーレム。彼女から黒人の、アメリカのリアルを感じ、学ぶ心、ラブの重要性をとことん彼女の姿から、もちろんモニークからも感じとりました。アカデミー受賞の素晴しさ、黒い言葉を受け止めてみてください、これは、痛い言葉です。
ある黒人街のテーチライト、教えてもらう事の尊さ、学ぶ光、教えてもらうありがたさ、輝かしい行為、、、しかしこの光景は、それがリアルだから、、。
追伸
ちなみに私の「マイナス青春物」ベストスリー(洋画教室金八編)は、
三位
定時制の高校物ルー・ダイアモンド・フィリップス出演の「落ちこぼれの天使たち」(ビデオのみ)
二位
シドニーポワチエ主演「いつも心に太陽を」。シドニーが教師になり生徒に教える青春物、大好きな作品です。
一位なかなかのリアル具合MGM提供、社会問題にも発展した早すぎるティーン物の傑作「暴力教室」です。教室はいつの時代もあれている、、、。