一

しあわせの一番星の一のレビュー・感想・評価

しあわせの一番星(1974年製作の映画)
-
浅田美代子主演のアイドル映画ではあるが、こまっしゃくれた言動にイラつかされるばかりだし、彼女の成長譚でもなんでもない。石森史郎も山根成之もはっきり言って美代子に興味なんてないのである(可愛いは可愛いが)。ではこれは何の映画かというと、山形勲に男やもめの頑固親父を演じさせるための映画である。本作におけるアイドルは山形勲に他ならない。山形勲カワイイムービー。そこに木下恵介『破れ太鼓』のような、あんな父権に対する風刺などは必要ないのだ。男手ひとつで育てた娘の妊娠・結婚を許せない勲、亡き妻の仏壇に話しかける勲、競艇にハマる勲、クラブで夏木マリの歌に軽くノッている勲、ジャネット八田演じる間借り人役名そのままジャネットさんに向かって「ジャネットさーん」と呼びかける勲。肝心の父と娘の和解を全くもってなあなあに幕引くお話の緩さもなんかもうオッケーです。
一