賽の河原

ゴッドファーザーの賽の河原のレビュー・感想・評価

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)
3.7
映画とは何かということを考えたときに、「劇場で他の観客とその映画だけを観に集まって観る」という特異なメディア性がある。
この映画は映画というメディア自身のその特異性を浮き彫りにする。冒頭の婚礼シーンから終盤まで、この映画は非常に映画的であるが故、中途半端な観客を振り落としてゆく。
飯を食いながらだとか、スマホを弄りながらなんていうテレビ的な見方をすればこの映画の魅力は半減するだろう。
多数の登場人物、筋は19世紀のロシア文学的。ゴットファーザー的なものを忌避していた主人公が何故ゴットファーザーになるのか。権力というものについて考えさせられる。権力に欲望を覚える人間は多いが、本質的に権力とは孤独である。それでもなお権力を持つという選択をする男の物語。
観る際はコンディションを整えて心して観たい。
賽の河原

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