賽の河原

グランツーリスモの賽の河原のレビュー・感想・評価

グランツーリスモ(2023年製作の映画)
3.8
夏休みぶりの映画です。メンタルを回復させに行きました。
すごく良かったと思います。#最高
一般ピープルにはマジでオススメできる作品なんですが、いかんせん自分が半端にモータースポーツが好きっていうのと、ゲームのグランツーリスモシリーズを3以降の全作プレイしてる厄介なオタクなのでディテールの部分が気になっちゃって楽しみきれないというのもありましたよね。
まずは本作、しっかり迫力のあるレースシーンが撮れてる時点でまあ大体優勝なんですよね。ドローンとかクルマにつけたカメラですとか、レース映画としてむちゃくちゃフレッシュな表現があったかと言われるとこまりますけど、普通にカッコよく撮れてて劇場で観る価値がありましたよ。
あとは父と子の物語、師弟やチームの物語からなんなら恋愛要素までしっかりと人間ドラマが描けていたのもいいですし、そもそもストーリーもGTアカデミー編、ライセンス取るまで編、ルマン編と結構要素の多い映画でしたよね。
正直、私はGTアカデミー本編もさらっと見てましたし、ヤン・マーテンボローさんもそれなりに知ってたので、映画の脚色が盛りに盛ってて「すげーなー」って思ってましたね。
『ストレンジャーシングス』のホッパー役でお馴染みデイビッド・ハーパーさんも、架空のキャラクターですがなかなか良かった。なんなら彼の映画になってましたよね笑
ただ、モータースポーツオタク的にはやっぱり気になるところもあってね。ロケーションだとかですよね。
例えばGTアカデミーの舞台がシルバーストンだっていうんだけど、まあ全然シルバーストンに見えないだとか、ヨーロッパ転戦していくなかでカタロニアサーキットってテロップが出るのにサーキットが左回りだったりとかさ、気持ち悪いオタクですね。
レッドブルリンクやノルドシュライフェでのレースシーンはおそらくそのままサーキット借りて撮ったと見えて最高ですよね。
物語終盤のルマン24時間レース、スタート前とかの演出は見事でしたし、「おっ、これはちゃんとサルトに見えるぞ!」ってテンション上がったんですけどね。いざレースが始まると「全然ハンガロリンクやんけ!」っていう。#だからキモいって #オタク特有の早口
とにかくそういうモータースポーツのディテールみたいな部分の詰めが甘いところはいろいろ思うところがありましたよ。
モータースポーツ映画ってぶっちゃけそんなにたくさんあるわけじゃないですけど、モータースポーツファンとかオタクを真に楽しませる映画って少ないですよね。
これは観客一般にモータースポーツのリテラシーがないのが普通だから仕方ないんだけど、普通のスポーツ映画なら「強さ」とか「勝利の理由」にちゃんとロジックをつけるじゃないですか。「主人公はこうだから勝った」「練習していたアレが土壇場で決まった」とか。
ところがモータースポーツの映画ってほとんどそれが描けてないんですよね。本作のレースシーンも「なぜ他より速いのか?」「なぜ他より遅いのか」とかってロジックが本当に脆弱。だからクルマがカッコよく走るっていうアクションのなかに「どうなるのか...!」っていう緊迫感やスリルに欠けるんですよね。「臨機応変に他のラインで走るんや!」とかいうモータースポーツ的に説得力のない理由で勝たれてもカタルシスがない。#いくらサルトでも最終ラップ6秒差は絶望的やろ
ただ、この映画、各都市のディテールはかなり素晴らしいですよね。色んな都市のランドマークとかをしっかり撮りつつとかやってるの、すげー金かかってますね。
特に日本でロケしているシーンは徹頭徹尾「ちゃんと日本で日本らしく撮れてるなぁ」っていうところは感心しました。
グランツーリスモシリーズのプロデューサーの山内一典さんのそっくりさんの役者も本当によく探すなあとか思いながら笑いましたね。
本作の白眉は主人公とその彼女が東京観光するシーン、銀座久兵衛で寿司を食べるところですよね。「ちゃんと久兵衛だ〜」と思いながら感心してたら、寿司職人が!山内一典wっていうね。「そこでカメオ出演する!?」っていう抱腹絶倒シーンでしたよね。#どうせ誰も気にしてないネタバレ
あと1点だけ不満だったのは音楽ですよね。やっぱり『グランツーリスモ』って名前を冠した映画ならば、レースシーンで華々しくMoon Over The Castleが爆音で流れて欲しかったですねえ...。
#映画 #映画鑑賞 #グランツーリスモ #movie #granturismo #tohoシネマズ新宿 #いくらなんでも感想が早口すぎる #映画の感想を書け #24 #フォードvsフェラーリの方が好き #なぜか2dxで観た #料金の価値はあるのか🤔
賽の河原

賽の河原