ロッキーシリーズはスタローンの人生芸術であり、アメリカンドリーム、アメリカの神話の一つだと思っています。
ロッキーサーガの幕開けに相応しく、心昂るファンファーレで始まる第1作。
ビル・コンティによるテーマ曲、最高〜!
誰でも知っている作品だけど案外イメージよりも静か。
それはロッキーがエイドリアンに呟く「たとえ負けたとしても最後まで戦い抜いて自分がチンピラではないって証明したい」という所謂敗者の美学がテーマだからだと私は思っています。
ロッキーの貧乏暮らしや鬱屈した思いが静かに丁寧に描かれている。
その白眉がロッキーとミッキーの無言の和解のシーン。
ロッキーの汚れた部屋へ訪ねてきたミッキーを照らす光。
うなだれて帰るミッキーを追いかけるロッキーを写すロングショット。映画史に残る美しさだと思います。
ロッキーが教養はなくとも本質的な優しさや懐の深さを持った人間だから、試合に負けてもエイドリアンの愛と人々の声援を勝ち取ったと思うと胸が熱くなります。
若い頃に観て心躍り、大人になってから心に沁みる、やはり傑作。