ぺここ

ミセス・ハリス、パリへ行くのぺここのレビュー・感想・評価

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ファッションを軽薄なものではなく、夢のあるものであり生きる希望をもたらすものとして描いているのがよかった。
ディオールの究極のエレガンスを観られますしね。
特にファーストルックとなる白いジャケットに黒のフレアスカートは朝ドラ『カーネーション』でも出てきました。
あの時代の日本でもディオールは憧れの存在だったんだわ、と思った記憶があります。

作品はというと、ミセス・ハリスの人柄が周りの人の心をほぐし、ディオールの危機をも救う、なんとも優しいお話でした。
レスリー・マンヴィルの妖精的な魅力が作品全体のファンタジックな雰囲気にピッタリ。
対してイザベル・ユペールはエレガンスさの中に苦さと哀しみを体現し一抹の現実味を与えており、さすがユペール様としか言いようがありません。

全体的として心温まる作品で堪能させてもらいましたが、ファッションの力とその限界まで描き切った『カーネーション』という作品を観てしまっているので、ちょっともの足らなさはあるかな。
日本人があの時代パリに行ったとしてあんな扱いしてもらえるのかな…なんて。
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