改名した三島こねこ

ロッキーの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ロッキー(1976年製作の映画)
3.7
<概説>

場末の三流ボクサーであるロッキー・バルボア。そんな彼にひょんな巡り合わせから世界チャンピオンより対戦が申し込まれる。ドン底にいたクソ野郎の愛と再起の物語。

<感想>

スタローンがボクサーとして半裸で戦う。

こんなの見るしかないですよ。スタローンが脱ぐんです、泥臭い汗水垂らして。あの筋骨隆々の身体に照り輝く男の体液。理屈抜きにして憧れてしまいますね。

物語もスタローン流とでも言いましょうか、彼の長所がよく出ていました。『ランボー』でもそうでしたが、スタローンは寡黙な男に不遇な境遇を与えさせるとピカイチです。しかも演者スタローンの風貌も、それによく合っている哀愁があります。

ただ本作はボクシング作品だけあって、最後のあのリングにすべてがあったというのが正直な個人的な感想。それまでのドラマパートも感動的ではありますが、あくまでそれは試合までの前座の物語。アポロとのリングの上にはその外部の物語はなく、ただ「お前をぶちのめしてやる」という純粋な闘志だけがありました。それがとてもよかった。
最初"イタリアの種馬"なんて侮っていたアポロも、ラウンドが二桁に入ったあたりから眼光に本気の殺意が混じっています。だというのに試合が終わればお互いをリスペクトする言葉が。スタローンの作品は本当にこういう汗臭い男達が魅力的で好きです。

「エイドリアーン!」や「お前の指をへし折ってやる!」なんてのが名言らしいですが、そこはあまり刺さらなかったのが悔しいですね。名言に関して言えばエイドリアンの「あんたに恩なんてないわ!」が一番よかったです。