Keiseihhh

ルパン三世 カリオストロの城のKeiseihhhのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

大傑作、快作。宮崎駿監督の劇場公開映画第一作。ルパンの地位を不動のものにし、同時に義賊ルパンの原型を作った作品。娯楽映画の要素がこれでもかと詰め込まれている。思い出すだけでも冒頭、車の修理をどっちがするかを決める次元とルパンの息の合ったじゃんけん、崖を駆け上がっていくフィアット、ルパンと次元によるナポリタンの取り合い!そしてそしてこれでもかとばかりに、炎に包まれながら落下するルパンの衣服を斬鉄剣で斬り捨てる石川五右衛門!更にこれこそ、この映画の肝でありその後のルパンシリーズにおいてルパンと銭形の関係性を決定づけた、カリオストロ城での二人の共闘!ルパンの面白味満載である。ちゃっかり利益を得ながらもルパンの味方であり続ける峰不二子もしっかりと描かれ、ルパン一味の魅力を最大限にまで引き出している。敵役であるカリオストロ伯爵も分かりやすくしかしどこか憎めないキャラとして描かれており、ナウシカに出てくるキャラのような業の深さはない。加えてルパン三世の永遠のヒロイン像を作ったクラリスも、非の打ち所がほぼないと言っていい。ルパン三世役の山田康夫をして「監督、俺が間違ってました。これぞ俺の考えるルパンです。監督、何でも仰ってください。仰ることを全て聞きます」と言わしめただけある。最後の財宝もルパンに「俺のポケットには大きすぎらあ」と言わせることで、ルパンをより一層の自由人にし、庭師の老人に「何と気持ちのよい連中だろう」言わせることに成功している。キャッチコピーに表れているように前作「ルパンVS複製人間」を超えるのが目的の一つでもあったかもしれないが、それを優に超えるエンターテインメント性! 脚本の完成度、娯楽性という点では「クローン」を間違いなく超えたと言っていいだろう。ただ惜しむらくは故モンキーパンチ氏の「彼(宮崎駿)はルパンの毒をすべて抜いてしまったから」の言葉に象徴されるルパンのアク抜きだろう。これは賛否両論あるのは知っている。宮崎駿監督がルパンの雛形を作らなければその後長きに渡り人気コンテンツとしてルパンが君臨することは不可能であっただろう。だかしかし原作ファン、クローンファンの意見、声も充分汲み取るとして-0.1!よって評価は4.3ポイーント!しかし言わずと知れた名シーン一つ一つを思い返すだけで胸が躍り心楽しい気分になれる傑作であるのは間違いなし!良くやった宮崎監督!天晴!大儀であった!
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