ザリくん

ルパン三世 カリオストロの城のザリくんのレビュー・感想・評価

4.2
クラリスの結婚式が9/13ということでルパン50周年に合わせてリバイバル上映。
リマスター等特にされていないため昔の画質音質であり劇場で見る意義は低かったのかもしれない。よりパヤオの「時代から突出したアニメ演出才能」が強調された面が出たとも言える(?)

東宝マークが出て開始1秒からもうずっと面白いんですよ。
冒頭の国営カジノから走って逃げ出すシーンを始めとして、改めて感じるアニメ的快楽は、人物モーションと"音楽"(又はSE)との異常なシンクロ。
カリオストロ城の屋根から屋根へ飛び移るのも、先の未来少年コナンのような後のラピュタのような、しかし似て異なるトムジェリ的な効果。
歯車を絡めたアクションはチャップリンの「モダンタイムス」を彷彿とさせる。あれもサイレントで音楽シンクロを主としているし、利権主義批判をしているしだいぶ意識しているのでは。

100分の尺の中で一切無駄のないのも恐ろしい。もうちょっと変な間があっても全然形になったのに完璧主義なまでの構成力。

白眉は、城潜入を決意してゴート札を車からバラ撒く所からのOP突入の流れ。
移動景色を流してTVアニメのEDのような雰囲気で自然にスタッフ名を流してしまい、映画最後の有名なあの終わり方を潔く「完」でスパッと切る、何と気持ちの良い後味に。(当時スタッフが少なかったから出来た芸当だとは思う)

他にもアニメ史上最高と評されるカーチェイスだとか(個人的にはラピュタのドーラチェイスの方が好きだが)、
ルパンがクラリスの部屋に最初に忍び込む時の構図、光の当て方だったり、
どのシーンも語るべきことは山ほどあるのだが、その辺はカリオストロでアニメ評論的なことをやってる人が探せばたくさんいるのでそちらを見るといいと思います。

ちなみに🍝はあんまり美味しそうには見えなかった。
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