さわだにわか

人間解剖島/ドクター・ブッチャーのさわだにわかのレビュー・感想・評価

3.3
観る前はジャケットに写ってるかっこいいゾンビが『墓地裏の家』のフロイトシュタイン博士みたいな感じでドクター・ブッチャーなのだろうと思っていたので実際のドクター・ブッチャーが画面に現われた瞬間のお前かよ感が半端なかった。

それにしてもあのゾンビはかっこいいな。あいつ以外のゾンビもみんなかっこいいしイタホラのお家芸的なアオリ気味の撮り方もかっこいい怖い。なんでこのかっこいいゾンビよりも食人族を推したんだろう。せめて食人族とゾンビ軍団の食って食われての血みどろバトルぐらいはクライマックス用に撮ってくれてもいいのに…なんか林の中とか撮影に金かかんない場所でいいから…。

一応ブードゥー・ゾンビ回帰を試みた『サンゲリア』の二番煎じだからだろうがゾンビはゾンビ博士の下僕設定であんまり派手に暴れてくれない。代わりに食人族は無茶をするがなんかいつの間にか味方になっていた。悪いのはあくまで植民地主義の白人ゾンビ博士で食人族でも憐れなゾンビでもないのだ。『Zombie Holocaust』なんて不謹慎極まりない英語題で売ってるくせにそこはなぜか真面目である。

まぁ食人族を悪者にしないのは『ヘル・オブ・ザ・リビングデッド』のパクリ(か、同時期のネタ被り)だからでしょうが…それにしても複数のイタリアンパチモノ映画から更にパクってるわけだからもう何がなんだかわからない。作ってる方もたぶん諸々よくわかんないで撮ってるのでストーリーなんか壊れているし手元にあった音楽をとりあえず載せただけみたいなサントラも超絶ミスマッチだが、ゾンビが出てきて博士も出てきて食人族が盛り上がって小屋が燃えたらなんとなく大団円、トラッシュ映画特有の謎カタルシスがあったので100点でいいです。

※あとゾンビ博士がゾンビの髪がどうのみたいなことをイアン・マカロックの前で言ってたと思うんですが多少は配慮しろ。
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