青春映画について考えた、。
2010年9月21日 19時24分レビュー。
2006年作品、脚本監督ムラーリKタルリ。カンヌ映画祭「ある視点」部門出品。
オーストラリア人の19才監督作品。
ジャケットは発売時にナントナク手にとった記憶有り。友レビ様のレコメンあり。
レビュー見ますとガスバンサント監督、私のミレニアム映画殿堂作品「エレファント」に似てる?
青春映画で邦題からタイトル暗めな感じ?という先入観。
青春暗め映画大好きっ子として鑑賞となりました。
うーん、「エレファント」とは全然違うなぁ。本作圧倒的に饒舌な若さです。
よーく喋るんで健康的にさえ見えます。
性格はいちお歪んだ、悩んだ的なテイですが、俳優がちゃんと演じている「余裕」みたいなもんが、感じ取れます。
痛みがまるで伝わってこなかったのが結論、平板というか。
「エレファント」の技法とそっくりな撮影はありした。
肩からステディカムで追う長廻し。
一人一人生徒を廊下ですれ違わせる時制の一致的な技法、似ています。
僕には、本作出来の「良い」青春映画に見えました。
青春映画の描く事、「ある種の若さ」、
悪口、セックス、障害、友人関係、薬物等々でます。
が、痛みは健康的に昇華され、ラストは
「あっそうきたの?何で!」
みたいな感じ。
私は、同じティーンを映し出した、ガスバンサントやハーモニーコリン、そして痛々しいほどの自堕落な不快リアル青年ばかりを写すラリークラークの方が素晴らしいと思っちゃいました。
やはり、上手く作ろうという監督の若さが出ていた気がします。
上記三人のティーン像は、もっとムカつき、不快になり、かつ俳優の無垢さ加減にリアルを感じます。
本作よりも後味は確実に悪くなる力、若さを反芻したくない新鮮さが息づいていると思います。
本作は、麻薬といってカメラが動いたり、何か決定的な感情が動くとこの六人の誰かとすれ違ったり、出来過ぎたあざとさがどんどん感性を平たくしてった印象でした。
長く廻したカメラからは、あまりリアルが感じられなかっです。
「エレファント」は、本物の高校生でプロはいません。
その無垢具合の立ち振る舞いからくるあの長く歩くシーンが息づいてくるんですね。
観客がリアルを感じれる動作をあの長廻しから感じれるんですね。
本作はプロの俳優が余裕の表面でやってるかんじが、残念でした。ラストもなんで?
を通り越してしまいました。
なんで、六人にうまく移入する方は感じれる映画だとは、思います。
私は、ハーモニーコリン、ガスバンサントのリアルをティーンをより信じたいかな?
という感じを受けちゃいました。
監督はガスバンサントきっと好きでしょうね、それがないとここまで一致しません。
若さをどう切り取るという事って実は難しいんだと思います、ある種の自己開示なんじゃないのかなと思います。
ラリークラークの絶望的な性悪説「ケンパーク」
ハーモニーコリン「ガンモ」に出る貧そな若さ
ガスバンサントの「ドラッグストアーカーボーイ」のマッドディロンの屁理屈
「エレファント」の薄い犯罪と性の改悪。
僕はこの三監督、新しいティーンを映し出した監督として世界的に評価すべきだとも思います。
邦画は、また、彼ら三人に全く追いつけてない気もしています。
私は、この三監督を新しいティーン像を映画に映し出した監督として世界的に評価してもいいんでわないかと思ってます。
なぜその若さがツタわらないのか?
と考えるとやはり、出来良くまとめた感じがどこかリアルを遠ざけた気がします。
なんか自分の見てきた青春映画について考えてしまいました。
程よい暗さな青春映画では、あると思います、よく出来ています。
だがしかしというかんじでした。