理か

壬生義士伝の理かのネタバレレビュー・内容・結末

壬生義士伝(2002年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大切なこと


江戸時代末期、東北のひどい飢饉の最中。
仕える藩の俸禄では、家族皆死んでしまう。
気づいた吉村は、
裏切り者と言われようと、
家族の為に脱藩して、出稼ぎ単身赴任のような
立場で金を稼ぎ仕送りする生活を送る。

仕えた先は新撰組。
凄腕ながら、金のことになると目の色を変え、
隠そうともしない吉村。
幕末、大政奉還もあり、
どちらが官軍となるか薩長との戦い。
いくら腕の立つ者を揃えていようと
銃や大砲には素手と同じ。

降伏を呼びかけられたにもかかわらず、
一人南部武士の義を果たす、と
立ち向かって行ったにもかかわらず、
なぜ、今さら幼馴染の大森に
助けを乞いに行ったのか。
家族に会いたいなら、
なぜ降伏しなかったのか。

義を通し切りながら、
瀕死の今、
最後は
やはり義よりも家族だったのか。
立派な刀は息子に授けてあげたく、
自身の古い刀で。

吉村の名誉の為、
義を果たし切らせる為、
使いの千秋と佐助は、切腹が吉村の本望と。

息子まで、いや、息子は、
父を一人にさせたくないからと。

家族を思う吉村の最後の願いを聞かず、
名誉の死を遂げさせた大森は、
自分も義を通さねばと考えたのだろう。

新撰組当時の仲間斉藤が、
命も顧みず無鉄砲な存在であったにもかかわらず、
生き延びて可愛い孫を連れ歩くのと好対照。

命を軽く見ていた時代。
義の為に人の命も自分の命もすぐ
亡くしてしまう時代。
義も大切だが、命が大事と思った。
理か

理か