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壬生義士伝のマッサージ屋のレビュー・感想・評価

壬生義士伝(2002年製作の映画)
4.0
池田屋事件後に注目を浴び始めた新撰組入隊希望者の中に守銭奴で飄々としているものの剣の達人である吉村貫一郎(中井貴一)がいた。
地元や家族の事を楽しく話す貫一郎を疎ましく思っていた新撰組の斎藤一(佐藤浩市)だったが、剣術に関しては一目を置いている。
貫一郎は盛岡の南部藩出身だが貧困の為に家族を食わす事が出来ず、泣く泣く幼馴染みで藩主の大野次郎右衛門(三宅裕司)に頼み込み脱藩したのだ。
そして稼いだ銭は盛岡にいる妻・しづ(夏川結衣)や息子らに送っている。
地道に新撰組の一員として働く貫一郎だったが、世の中は薩長同盟に傾きつつあった・・・。

劇場公開時以来、久しぶりの鑑賞です。

日本人がわりと好きな幕末の頃の話。
新撰組が分裂し始めで江戸幕府が薩長同盟に押され始めの時代ですね。
それを明治34年時にお爺ちゃんになった佐藤浩市演じる斎藤一が孫を連れてある病院に来て、そこで吉村貫一郎の写真を見た事から回想が始めるという流れ。

銭の為だけに生きる吉村貫一郎の姿が面白可笑しく笑えたのですが、その理由が明らかになるとしんみりと。
盛岡に残された家族も辛い境遇に陥る姿にやりきれない気持ちになります。
それくらい脱藩というのは重い決断だったわけですね。

一度藩主を裏切った吉村貫一郎が新撰組の賊軍になってしまった時にどう決断するかが見もの。
そして終盤はジーンときます。
二代に渡る幼馴染みの絆が泣けますね。

15年ぶりの監視でしたが完全に忘れてまして。
堺雅人が沖田総司を演じてたり、何気に豪華な作品でした。