「ハスラー2」が、若き日のトムクルーズ主演で、
一般大衆受けのする作品なのに対して(見てませんが)、
本作は、随分と雰囲気が異なり、
勝負師の狂気であったり、
メンヘラ恋人の心の闇であったりが、
あまり暗くなることなく、あっけらかんと表出していて、
(このバランス感覚が面白いなと思いました)
英語で表現するなら、
”perverted”、”twisted”、”crippled”、
異常で、捻れていて、傷物の世界であり、
続編に比べると大衆受けしそうにない作品だなと思いました。
派手なアクションはまったくなく、
ビリヤードのショットや、勝負師の表情を延々と映すなど、
表現としてはかなりストイックです。
9割方のシーンが屋内なのですが、
60年代らしいモダンな雰囲気が美しいです。
ポール・ニューマンは、まだ若く、渋みがなくて、薄っぺらい感じですが、
そこがかえって役に合っていて良かったと思います。