どーもキューブ

生きてるものはいないのかのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

生きてるものはいないのか(2011年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

石井岳龍が変わってしまったのか。



原作、脚本、前田司郎。脚色、編集、監督石井岳龍。 

久々の劇場映画でひっそりと公開の本作。

80年代から活躍された

石井聡互監督

日本映画監督の登竜門

「ぴあ」フィルムフェスティバル出身

デビュー作品がいきなりリメイクされた「高校大パニック」

大友克洋の原作をひたすら白黒で追っかけた疾走モヒカン短編「シャッフル」

「ゴー宣」の小林よしのり、よしりん原作。そして家族は武器を持ち殺しあう、家庭内暴力賛成ATG映画「逆噴射家族」

アサチュウ対永瀬の電気野郎対決、石井のエレクトリックサイバーパンク「エレクトリック80000V」

この流れを剣術武士道作品に施した高速剣術映画「五條冷泉記」

私は感じる水の流れ、大地の揺れ。小嶺麗奈の美しい大地の水。石井青春のネイチャー映画「水の中の8月」

暴走族が、今、サイバーパンクに変身。今もなおファンを獲得する日本版「ストリートファイヤー」「狂い咲きサンダーロード」

そんなおっかけ具合。

カリスマチックに 駆け抜けた石井監督の最新作が染谷君を迎え

戯曲を映画化?

「ん!らしくないなぁ」という違和感を感じながらも「青春映画かな?」と思いつつ 準新作鑑賞いたしました。



中盤まで笑いながら面白くなりそーと思ってたんです。

が、中盤以降の

その展開

そのサービス

でずーっといく

その流れは、

やっぱり舞台っぽい
ていうかどんどん
舞台っぽいある意味
見る緊張感が薄くなるいっぽうな展開で、石井監督、脚色してこれかぁとかなりがっかりしました。

原作をもっとこねくり回して

もっとぶっとんだSFにするか

はじめのテンションの何も起こらない青春映画

にすれば良かったのになぁと

思っちゃいましたね。

俳優達も素晴らしいんですよ本作。

染谷君は、完全本作の少年アイコン的感じで

あんまり見せ場なく

むしろ
村上淳と渋川清彦のかつての雑誌「アサヤン」のモデルコンビの面白アクトを引っ張っていけば良かったのにと。
渋川さんは、初めてこんなに喋っているのを見ましたね。ヤクザ役とか狂った兄貴とか殺され役とか多かったですよね。渋川さん。

私は冒頭の喫茶店のくだりの
白石はっかさん注目です!
そしてものすごく綺麗な
青木英季さん、これから売れて欲しいですね!

高橋真唯さんも良かったです。


撮影の画像の綺麗な感じもさすが石井フォトジェニック。とっても美しい画面、画面枠を刻み込んでいきます。

前半の台詞の流れ、編集が素晴らしいだけに

この中盤以降の

ある意味のオチ連発に嫌気と緊張感皆無なバカバカしさにちょっと見てられませんでした。

なんか小さい劇団がやってちょうど良い作品といった感じ、大ですね。

原作が傑作とも思えません。そこを脚色したんなら、

もっと
かつての石井さんならムチャクチャできたのに

予算不足なのか

まあ持ち味をそのまま 味付けした着地点にがっかりという感じでしょうかね。
何より染谷君が勿体無い気がします。



という事で
改名した石井岳龍監督の

パワーを抑えた

生きているのはいないのか
というより

流れが変わってしまったのか石井監督?石井岳龍が変わってしまったのか。

と少し心配な出来になってしまいました。

そんな改名した

石井岳龍の

久々のフィルム「生きているものはいないのか」

是非!


追伸
俳優陣のキラリと光るもんがあったのに残念です。普通の大学コメディで良かったのになぁ・・・
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