展開は緩いが、シネスコで余すところなく捉えられた荒原や断崖の風景とテクニカラーが映す衣服の鮮やかさは魅力的。ラストの犯人との対決は凄まじく、ゴンドラの上での縺れ合い、ぶら下がる人質、すぐ側のヘリコプターがゴンドラを揺らす、まさに宙吊りのサスペンス。
本編とは関係ない細部だが、トム・ファッデン扮する鉱区管理人が運転する自動車があまりにも古くてぼろぼろで、西部劇の景色のなかで動くその姿を見てると『砂漠の流れ者/ケーブル・ホークのバラード』の時代から動き続けてきたように思えてしまい、勝手に感動してた。
